出航!犬戦艦。
〜地図を燃やせ!心には市原悦子を!〜(映画燃え尽きた地図より)
皆さん、「鉄郎」という名前を聞いたとき、マンガや映画の主人公で誰を思い浮かべますか?
そうですね。銀河鉄道の鉄郎ですね。(←強制的。)
僕は違いますよ。この場合はヤンマガ『おやすみなさい』の鉄郎です。
自分だけのアイドルランキング表を作り 広末涼子だけはランクインさせない、都心で自分のプロモビデオを作成して警察に捕まる。(『その荷物はなんだ!!』とビデオを指さされキョドっている内にお縄になった)、または松屋で頑張ってステーキ定職を頼むなど
彼の行動にはかなり共感がもてます。
まあ松本零士と言ったら僕は『わだち』しか知りませんのでおやすみなさいの鉄郎が出てくるのも当然でしょうか。(当然か?)
・・・って皆さん『わだち』知ってます?
主人公の山本轍(わだち)君は勿論浪人生(僕は漏人性)です。
すみかは4畳半のアパート。 誰にも頼らずバイトをして、さらに予備校にまで通うたくましい男の子なんですね。
しかし世の中はそんな轍君の知らない間に大変なことに。
・・・この地球は白人が幅を利かせ、インテリ以外の「サル」(ホントに言ってる・・・)には最早生存権は与えられていない・・・
そんな憂いを抱いた大学教授佐渡酒造は瀬戸内海にミサイル基地を建設。
地球を焦土にし日本人(インテリ除く)だけを他の惑星に移住させるという カミヨ計画をぶちあげます。(うわあ)
そしてついにロケット発射。小さくなって行く地球をみながら、教授が呟いたことと言えば。。。
「ワシは国際会議で黄色いサルと言われたことがある」 「温室のあだ花に何が出来る」
そして 「轍よ新世界を女々しい物にするな。いやが上にも男の生き甲斐のある たくましい土地にしろ」 です。
まさに白人の日本人蔑視思想に立脚したマンガといえましょう。
(一口コラム)僕は高2の時学校で「大地震への対処法」という作文を
書かせられました。
早速、さいとうたかをの『シティーサバイバル』という阪神大震災便乗本を参考に、「有事にあわてるより、地震前後の人生の方がよっぽど大事である。」
ということを強調し続けた経験があります。
その後この『わだち』を読んで、「やはりあの作文で良かった」と改めて思いました。地球が爆発したらどうせみんな死ぬんですから。
つぎ。『ポーキーズ』ですが、これも酷いですねえ。
ダメ高校生達が、「誰が一番速くやれるか」を競うデスレース物で、3作あります。
ちなみに僕は全部見ました。ストーリーはあまり面白くありませんでした。セットもチャチだし
山は最初の5分だけ。
でもみてしまう。 ・・・僕は彼らよりもっと酷い人生ですがね。
レースに出る前に家からでれない、若しくは雑踏の中で殺されるタイプですから。 闘えるだけ良いんですよ。
ガッツ広場!!
さて、つぎ。『逆噴射家族』(制作:長谷川和彦、監督:石井聰互)。
これも浪人生が出てきますねえ。 その役は有薗芳記が演じていますが、目が尋常じゃないんですよ。いや
完全に行ってしまって・・・
加えて妹役の工藤夕貴の プロレスシーンもあります。 ストーリーは家庭内で戦争が起こるというもの。
母親役は倍賞美津子。 これがまた酷いんですよ。
「プレゼントは私です」とマイホーム購入祝いに旦那に言うシーンは2度とみたくありません。
つぎ。『青春の蹉跌』
「蹉跌」の意味は「《失敗して》ゆきずまること」です。 僕にぴったりですね。 しかも僕はこの意味を知らずに観ました。
内容は東大生で司法試験を受験しているショーケンが恋人の桃井かおりを身ごもらせ(実は違う男の子)、「おろせ、おろさない」の 口論になり
最終的に雪山で桃井を殺害するというもの。
また、ショーケンも逮捕寸前に首の骨を折り死ぬ。 という 明日がない作品に仕上がっています。
監督は神代辰巳。 この作品の切なさに拍車を掛ける物としてもうひと要素。
それは、物語の中でショーケンに実はフィアンセがいたと言うことです。
桃井かおりと二股を掛けていたフィアンセというのは大企業の社長の娘でした。
婚約会見かなんかで重役が集まる中 「僕は幸せ者です。」とヌケヌケと言い放ち
その前後に桃井を殺害するわけです。
また、そこに時々はいる 「松島〜〜エンヤートット〜〜エンヤートット〜」という ショーケン本人の歌が切なすぎ。
蹉跌ですよ。蹉跌。頑張ってください。としか言えませんね。
つぎ。『スーパースター』。
この映画、高校生を演じている役者がみんな30以上という 確信犯ぶり。
「かっこいい」と言われ主人公の女の子(立派な大人)もあこがれている男子校生は格好良くないし年は40前後で腹が出ている。
という 素晴らしい作品です。
ストーリーはいいでしょう。予告編観ればわかりますから。
とにかく笑えます。
最後に『デッドマン・オン・キャンパス』。
数学が得意な主人公ジョシュと金持ちの息子で 遊び人のルームメイトクーパーは大学1年生。
成績が良く、奨学生だったジョシュ君ですが入学後すぐの初体験で調子ずき、クーパーなどの影響もあって成績は
急降下。
もちろん奨学金ももらえなくなります。 クーパーも授業をサボっているのを親に見つかり 仕送り打ち切りの危機に。
※ちなみに僕も予備校をサボり気味(過ぎ)で、 奨学金はおろか明日の食費にも困っています。
ともあれ土壇場の二人。 そこで学則に「ルームメイトから自殺者がでたらオールA」という規則があるのを知り計画を練りだしマス。
それは自殺しそうな奴をルームメイトに引き込み、自殺させる。という何ともはやなもの。
「頼むから死んでくれ」と言うわけですね。
まあ結局最後は死者も出さず、落第もせずというエンドでした。
・・・まだ甘いですね。
くどいようですが、僕は自殺しなくても独りでに死ぬようなタイプです。
『人間失格』なんかを読んで「失格って公言できるだけまだ良いよな」という 考えを持って初めて ダメなんですよ。
淡々と生きて死ぬ。それで良いじゃないですか。
山田芳裕の『佐々霧兵吾』みたいにね。。。
<犬棒>
■03「出航!犬戦艦」 ★★★
かいつまんで解説するしかねぇな、このレビュー。
『ワダチ』 ハングリーな頃は誰しも、眼光紙背に徹するような傑作が誕生します。ロレックスの買いあさりを初め、いまやダフトパンクとタッグを組んだ金太り松本零士も昔はこんなにハードな作品を書いていたわけですな。「犬棒」と『ワダチ』に、そして本レビューでとりあげられている全作品に通じるのは、「自分周辺四畳半のチンケな問題」を「地球規模」にまで昇華させる「勘違い」であり、またそこに魅力があるわけです。さむい、おいら死む。
『青春の蹉跌』 以前この映画について犬棒と話をした際、ぼくは「おまえも蹉跌だな」と犬棒にシニカルに言った覚えがあります。ですが、彼は「蹉跌」の意味を全く判っていなかったようで・・・えんやぁとっとえんやぁとっと・・・まっつしまぁあ〜
『スーパースター』 この作品は誰も何のコメントもしてくれませんが、僕は結構オススメしてます。安心して見ることのできる笑うに笑えないコメディです。犬棒のコメントにあるように誰一人として高校生とは思えないご高齢ぶり・・・。木を彼と見立ててのキスシーンや脇のにおいを嗅いで安心するなど、なかなかよくできたお嬢さんが主演してます。ちなみに眼鏡っ娘。だからどうした?
『デッドマンオンキャンパス』 音楽が『ファイトクラブ』を担当したダストブラザーズだから結構良いよ、というどうでもいい理由で薦めた作品です。以上。
<WEEZER>
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