2002.6.25 PFF今岡信治特集/韓国 VS カーン(ドイツ)

『痴漢電車 弁天のお尻(デメキング)』★★★★★(1998)
『ぐしょ濡れ人妻教師 制服で抱いて(それでも。)』★★★★★(1999)

ぴあフィルムフェスティバル、今岡信治プログラムを鑑賞。35mmフィルムであれだけのナイスな環境で観られるのはもう無いんではなかろうか。フィルム、大画面で観る『デメキング』の壮大な馬鹿馬鹿しさは最高だった。妄想、虚言癖、やがて訪れるまどろみまで初期のラリラリ今岡節の集大成。素晴らしひ。弱者必見。帰って来なくていいんだから。あっち側の世界だから。あっちってどっち?ぱぱんがぱん。本人のトークはぐだぐだで別の意味で眠くて困ったもんだが、それがまた今岡さんらしく。あは。それにしてもやはりこれをDVD化すべきだったか。うーむ。んでもって初めて観た『それでも。』、これがまた良かった!前作『愛欲乱れ妻(愛する)』に続く人妻モノだが、実に実に実〜に変な設定、歪んだ優しさに満ちておりニヤニヤが止まらない。手首を切りたくなる妻、彼女に惚れるレズの女子生徒、女装して慰める変な夫、それぞれの奇妙な行動や突飛な行動、憎めない演出のオンパレード。それがまた最高のラストへ到達するんだからたまんない。たまんないんだよなあ。ほんと。ブラボー今岡。

さてさて、韓国 VS カーン(ドイツ)。ついに韓国力尽きる。カーンはまたしても凄かった。今大会ナンバーワンの男気キャラ。例え誤審で点を取り消されてもそれは仕方ない。また攻めて1点をもぎ取るのみ!というのが誤審にぶーぶー言ってる伊達男集団イタリアとは違うのである。というわけで史上初のドイツVSブラジル(意外だよね)が予想される決勝。ドイツはバラックとノビルが出場停止って痛いぜー。ブラジルはロナウドの髪型がちょっと問題だね。ぷ。



 

2002.6.23 伝説のハードボイルド・ピンク 「荒野のダッチワイフ」、遂にDVD化!

大杉漣をアップリンクファクトリーに登場させて仕事も一段落。一方で現在について、今後についていろいろと考えるところあり。
精神的にまいっちんぐマチコ状態。しばらく休みた・・・いや正確に言えばいろんなことから逃げ出したいだけか。げほげほ。

さてワールドカップもいよいよ終盤。日本のトルコ戦敗戦については未だもやもやしているし、果たしてトルシエは満足はしていたが勝つ気はあったのだろうか?という気すらしてしまう。横でジリジリしてる通訳ダバディ。僕らも同じ気持ちだった。あんな試合だったら韓国との差は何。メンタリティ?サポーター?まだまだ日本は甘ちゃんだ。ベスト16でトルコ、勝っても準々決勝でセネガル、っていうベスト4への道。もう今後何十年もあり得ないチャンスだった。実に残念である。各選手のコメントも満足気でわからん。中田だけが負けた気がしていない、強豪国と当たってないのでワールドカップな気がしていない、とリアルな感想を残したのみ。へこーっ。

7月11日から毎週木曜は映画秘宝編集部らを迎えて金子修介の監督デビュー作にして最高傑作「濡れて打つ!」の上映やります。「少林サッカー」「チアーズ!」に匹敵する快作。必見。んでもっていよいよ8月にはニッポンエロティックス第4弾。この仕事について以来ずーっと手がけたかった、大和屋竺監督による伝説のハードボイルド・ピンク「荒野のダッチワイフ」がDVD化!「殺しの烙印」ファン必見。観ないと射殺。同時発売は足立正生の「女学生ゲリラ」に若松孝二御大の「情事の履歴書」!いよいよもって濃い。濃すぎるぞ。世のため、マニアのため、もうしばらく戦いは続きそうである。合掌。



 

2002.6.9 "テッテ的"映画賛歌

「少林サッカー」(2001/チャウ・シンチー監督作品)★★★★★★★(無限大)

イングランド、アルゼンチン撃破!ヒデキ感激!いやっほう!酔いと興奮で柄にもな く電話しまくってしまった。
かわうそ他、迷惑かけた方ごみんなさひ。あは。んでも って興奮ついでに杉千代さんを連れて2度目の「少林サッカー」。笑った、震えた。
会場は興奮の渦。異様な盛り上がり。何と映画終了後には拍手喝采が巻き起こった。 全員の気持ちが1つに。
これって最近の映画では珍しいのではないだろうか。しかし それもうなずけるほどのテッテ的(徹底的)で突き抜けた演出。
最後まで冴え渡るギャ グ。さらには惜しみなく使われるCG!ワイヤーアクション!これぞエンターテインメ ント!
しかもさんざんめちゃくちゃやっておいて観終わった後我々に突きつけられる のは「少林寺がいかに実用的で素晴しいか」っていうことのみ。
ぎゃはは。馬鹿もこ こまでくればすがすがしひ。しっかし小学生〜中学生ん時に観たら多大な影響受ける だろう。
キャプテン翼の数百倍の影響力があるし、何だか自分も何か出来る気になっ てしまうようなパワーすらある。ケッサク。必見。迷いなきテッテ的演出。

以下、スポ根系中心にオススメの"テッテ的映画"をまとめてみたぞ。どれか1つでも
引っかかったあなたは「少林サッカー」を存分に楽しめる。。。かどうかは本人次第
か。あは。

「食神」チャウ・シンチーによる"ミスター味っこ+少林寺"的傑作。地に堕ちた天才 シェフが少林寺で過酷な修行をつんで帰ってくるという馬鹿極まりない設定をキレ味
するどいギャグと演出で描いた逸品。「アタック・ナンバー・ハーフ」タイ発オカマ バレーチームの奮闘を描く。設定はアホだがいたって正統派のスポ根ですがすがしい 。

「濡れて打つ!」近年は「ガメラ」などですっかり巨匠になってしまった金子修介 、伝説のデビュー作にして異色のロマンポルノ。これこそ漫画「エースをねらえ!」
から飛び出して来たかのようなテッテ的な風貌のキャラクター達に80年代特有の「う る星やつら」的日常感が融合した傑作。
コーチが腰の動きが悪い!教えてやる!なん つって古典的なギャグが全てクリーンヒット。スバラ。

「恐怖の外人球団」韓国産アストロ球団実写版にして大いなる失敗作。見所はオジャパメン的コテコテ80sPOPと、 工藤静香みたいなワンレン時代物のヒロインのみ。合掌。

「チャンピオン鷹」柴田恭 ・・・否、ユンピョウ主演のサッカーアクションだが、どたばたやってるのみでしょ ぼさ爆発。少林サッカーがきた現在ではまさに赤子同然。
キレの良い予告編で充 分か。主題歌も柴田恭・・・否、ユンピョウ。この他ロバート・アルドリッチ御大の 傑作2本「カリフォルニア・ドールズ」「ロンゲスト・ヤード」、映画秘宝ベスト10 にも入った「チアーズ!」、漫画で言えばご存知「アストロ球団」にドラマだったら 「スクール・ウォーズ」あたりか。迷いなき演出で言えば東宝50周年記念底抜け超大作「幻の湖」も・・・あれもまあマラソン映画だしな(←強引)。

とにかく作り手は迷いを捨ててほしい。外からの常識的な声は聞きのがして無我夢中 で作ってほしい。狙ったギャグよりも光るのはそういった迷いなき暴走演出だ。(少 林サッカーあたりは例外でそのどっちも決まってるわけだが)その時こそテッテ的映画の傑作が生まれるのだ。
んでもって観る側も変に構えないでもっと無心で素直に観 たいもんだよね。ちゃんちゃん。

 



 

2002.6.6. ワールドカップ雑感 その2

日本VSベルギー戦が終わった。鈴木は代表でもJリーグでもずーっと点が取れてなかったし、この日もトラップミスなど目立っていたが、1点取られて流れがぐぐっと持っていかれるところで貴重な1点をゲット。前半はちと眠気に誘われた試合もここからようやく動き出す。稲本の力強さ溢れる勝ち越しゴール。森岡負傷退場直後の不運な失点。稲本幻の3点目。ノーガードでの打ち合いのような興奮だ。トルシエも今までの不可解な選手交代が嘘のような勝負所での選手交代。やってくれる。熱血通訳ダバディはちょっとおとなしかった。

他の試合で大いに興奮したのはアイルランドVSドイツ。アイルランドは全員中山や鈴木みたいなファイティングスピリットで戦う。主将のロイ・キーンが大会前に帰国してしまったというトラブルも、ハンディキャップではなく逆に結束する力に変える熱いチームだ。1点リードで終了かと思われたドイツ戦も最後の最後ギリギリのところまで諦めない精神力と集中力で自力で追いついた。さすがは予選でオランダを撃破してきただけのこたぁあるね。観てて気持ちが良いっす。逆にドイツはオーソドックスで負けないサッカー。こちらは強さだけが伝わってくるが、観ててどーにも面白くない。

ポルトガル敗戦はショックだ。テクニシャン揃いで勝負弱い。よろしくない伝統は今だ健在らしいや。フランスも苦しんでいる。呪いがかかっているかのようにツいてない・・・ってやっぱり始まったらすっかりハマってるワールドカップなのであった。合掌。



 

2002.6.3. 親愛ならぬ日記、その他ワールドカップ雑感

★★★あがた森魚やら杉作J太郎を呼んでプチ司会までやるハメになった5月のニッ ポンエロティクス関連のイベントも無事終了。
大プレッシャーをかけられていたロシ アのカルトSF『火を噴く惑星』DVD営業の方も『キン・ザ・ザ』DVDの大ヒッ トにより予想外の好成績を収めたっつーわけで一段落。
ワールドカップ始まるわ、今 日の午後から社長も出張に逝くわ、ずーっと探してたレコードが低価格で見つかるわ、なかなかツいている6月初頭。
平日は何故か池袋界隈の杉千代邸を拠点とし、週 末下北に舞い戻るという謎の生活を送っている。さて、ワールドカップ。死のF組。
アルゼンチンVSナイジェリアに感動。勝ったアルゼンチンはもちろんだが、むしろ 主力を欠いたナイジェリアの組織的な守備にふるえた。
身体能力+組織力。アフリカ勢は確実に成長している。イングランドはきつい。スウェーデンと辛うじて引き分け たもののベッカムは足痛そうだし、オーウェンもキレがない。
さらに選手層が薄いの が痛いのなんの。予選突破なるか、ちょいと不安だ。
スペイン、イタリアは順当に 勝ったが、イタリアの攻撃にはびびる。はっきりいってビエリとトッティ2人しか攻撃してないのに相手DFたじたじ。
日向小次郎と大空翼みたいなもんだ(謎)。

いよ いよ今日は日本代表登場。時間帯がきついのでビデオ観戦する予定なのだが、情報を カワして家に帰るのが大変な東京。油断はならねーっす。んがっ。




2002.6.1.ワールドカップ開幕

4年前は大学3年だったか。その前は高校2年か。今年はフランス敗れるという波乱でワールドカップが開幕した。今年の優勝はイタリアを予想。かつてのバッジョを中心とした背中に哀愁漂ってます系の面影はない。安定した強さだもんね。個人的に応援したいのはイングランド。あとはザボビッチ(スロベニア)、レコバ(ウルグアイ)あたりのファンタジスタ系選手に注目。ニッポンももちろん頑張ってほしいところすね。以下、最近観た映画感想文。

『ライブイン茅ヶ崎』★★★ 
森田芳光、8ミリによる自主映画時代の名作をシネマ下北沢にて。何とも早初々しい作品である。チラシが大友克洋だったんだけど、なるほど『ショートピース』あたりの短編集に似た、何てことない青春ダラダラエピソードを自主映画ならではの好き勝手なBGMをバックに並べている。後に『家族ゲーム』などを生み出す同監督の資質も垣間見える好編。

『宇能鴻一郎の濡れて打つ!』★★★☆ 
金子修介の監督デビュー作にしてロマンポルノ版「エースをねらえ!」。縦巻きカールのお蝶夫人に勝てない主人公の腰を鍛えるために鬼コーチがそこいら中でまぐわるというアホ極まりない設定を迷い無く描き切るのだが、そのせいで自然に濡れ場も多く、単なる作家性だけでなくポルノとしても出来映えはなかなかと言えるのではなかろうか。何やら「うる星やつら」的な学園モノの空気なのも当時アニメおたくだったという金子修介ならでは。

『ラブホテル』★★☆ 
相米慎二監督唯一のロマンポルノ。脚本は石井隆。相変わらずのロングショット、ワンシーンワンカット、相米慎二ならではの空間を演出。ロマンポルノとしては珍しい88minという長さがちとたるいが、ラストシーンの美しさは必見である。ちなみに中川梨絵がヒステリックな夫人役で出演しており嬉しい限り。 




2002.5.24 『河』『ふくろうの夏』『夢なら醒めて』

『河』★★☆ 
台詞極少、行動だけでほとんどを見せるツァイ・ミンリャン監督の一般的な最高傑作と呼ばれるのがこれ。まあ、首にとりついた謎の病気、同性愛、激しさを増す雨漏りなど、モラルや家族の関係などいろいろなものが崩壊してゆくのを行動だけで見せてゆくのには力を感じるし、今回はテーマがヘビーなだけに奥行きも深く、ツァイ監督の頂点と言える出来。しかしまあ、個人的には「Hole」「愛情万歳」のようなシンプルなテーマ。男と女のちょっとしたお話みたいな方がツボであります。

『熟女のはらわた 真紅の裂け目(ふくろうの夏)』★★★☆ 
1997年製作、今のところの佐野和宏の最新作。前回『海鳴り〜』でも語ったが、相変わらずで嬉しくなるモノっていうのはティーンエイジファンクラブと佐野和宏の映画くらいだ。古きモノは死に、新しい世代がそれを引き受け、また年老いてゆく。今回の作品は引き継ぐ世代が"女性"であることで、どことない優しさを感じる。Sれにしても老練な佐野和宏、ハゲてゆけばハゲてゆく程にかっこよくなってる気がする。いつになっても"色気"のある役者だよなあ。

『PERFECT BLUE 夢なら醒めて・・・・』★★ 
サトウトシキ監督の最新作にして一般作。完成披露試写会にて。脚本はずっとコンビを組んでる小林政広に傑作ピンク「団地妻隣のあえぎ(空き部屋)」で初めてコンビを組んだ軟体超人・今岡信治。以前アニメ化されたパーフェクトブルーの実写版なのだが、ちとたるい。というのも、アイドルが唄う歌がフルで4回以上あったのねん。あれがちとね。サトウトシキ監督は脚本をいじらずガッチリ撮る人だと思うので、企画やストーリー次第という気がする。淡々とした小林×サトウ節だけではいささか物足りなさが残るのだ。淡々と饒舌に進み途中で突拍子もないどんでん返しがあったりする「ペッティング・レズ性感帯(ナオミ)」や葉月螢の棒読みナレーションであっけらかんとした妙なテンションで進みどんどん話が動く「不倫日記 濡れたままもう一度」、先にも挙げた今岡信治の漫画的脚本をストイックに演出した「団地妻 隣のあえぎ」の味。天才シェフは素材やスパイス次第で簡単に傑作を作り上げるのであ〜る。




2002.5.18 『穴』『海鳴り、あるいは、波の数だけ抱きしめてられるかアホンダラ!』

土曜日は恵比寿で杉千代さんとソーラ・バーチ主演の新作『穴』。未だかつてない酷い穴であった。合掌。夕方の下北。北口を久々に歩いて何だか懐かしかった。こういう気持ちって今が充実してる証拠か。余裕ある証拠か。ふっ。単純馬鹿。『傷だらけの天使』で岸田今日子はショーケンのことを「あの子は飢えてる方が素敵なのよ」なんて言ってた。そーゆーのも大切にしなきゃだ。つーかそういうの失ったらただのフヌケだ。なーんて思った日曜日の明け方。しかしその後満を持して入手したチェット・ベイカーの"Sings & Plays"のLPなど聞いて一日中うとうとしてた寝不足ダメ人間。それは私です。合掌。

『穴』★
ソーラ・バーチ主演で話題の新作だが、脚本、演出共にお子様ランチ状態。観てる側も穴があったら入りたい気分になるカックン作品。逆にあんな『穴』なら蓋をしておいた方が良かった、ってか。ひー。ついでに『ゴーストワールド』で名演を見せたソーラ・バーチのフィルモグラフィーにも穴が開いた。ティーンの女心は複雑、女って怖いわーで片づけようとして片づいてないどっちらけ演出。監督を含めたスタッフが穴に閉じこもって反省した方が良い。時間を返せ〜!緑を青空を返せ〜!ぶっちぎりで今年のワースト映画か?

『集団痴漢 人妻覗き(海鳴り あるいは、波の数だけ抱きしめてられるか、アホンダラ!)』★★★☆
1991年、佐野和宏監督・脚本・主演作品。同年の「波の数だけ抱きしめて」への痛烈な批判を込めた青春映画の力作。無法者は撃たれ、女はフラフラと危うく、若者達は悶々とし、最後には新たな旅立ちを果たす。佐野和宏の映画が伝えてくれるメッセージは古典的だが、忘れてはいけない何かだ。古い世代は過去に戻れない苦しみ、若い世代は先の見えない苦しみ、それぞれに奇跡も何も起こらない。古い世代は引っ込み、若い世代がまたそれを受け継いでゆくだけ。タイトルの示す通り、これは嘘のない映画だ。




2002.5.14 『KT』『親愛なる日記』

ひょんなことから週末恒例となった杉千代(仮名)さんとの映画三昧。今回は渋谷で話題作『KT』。まあまあ悪くない映画。朝までぐだぐだ飲んで食って帰宅。日曜日は杉千代さんを迎えに久々に羽根木公園を通って東松原へ。家のベランダで雨ざらしになるたびに腐るんじゃないかと心配だったベンチに2人がかりで真っ青なペンキを塗りたくった。なかなかの出来映えに満足。受けを狙ってかけたフリッパーズギターのベストがこそばゆくていかんかった。合掌。ついでに前住んでたアパートの敷金が返ってくるというので大家さんのところへ。しかし18000円ぽっきりって何でやねん。連絡も遅くなったっつーことで大家さんは20000円くれようとしたので「同情はいらないぜ!グランドマザァ!」と言い放ってきびすを返した、というのはもちろん嘘で、へこへこ頭を下げて受け取って杉千代さんを連れて下北で飲んだのであった。

『KT』(2002/阪本順治監督作品)★★☆
ひとまず日韓共同でこれだけのポリティカル・アクションが出来たことに拍手を贈りたい。脚本家の荒井晴彦氏は阪本順治が脚本を変えてしまったとか何とか映画芸術でわーわー言っているらしいが、それでも138min濃密な内容で、一流のサスペンスにはなっていると思う。深く突っ込めばいろいろ出てくるんだろうが、そんなことまで一般ピーポーにはわからん。布袋による音楽は意外にも悪くなく、しっかり手に汗握る内容として観ることは出来る。ただし、"作った意義"を越える大傑作とは成り得ていないのは事実。

『親愛なる日記』(1998/ナンニ・モレッティ監督作品)★★★☆
ずいぶん前に観たのに感想を書くのを忘れていた作品。自分の会社から出したDVD『エイプリル』の前の作品で、何故かエイプリルより売れていたので気になっていたのだが、数段取っつきやすい。3話仕立てのオムニバスになっており、旅行気分で楽しめる作品だ。1話目のひたすらベスパでイタリアを回る小品は実に良かったなあ。 ローマの町をふらふらと徘徊して怒ったり歌ったりと情緒不安定気味なナンニ・モレッティの日記。晴天のローマの夏の心地よさが伝わってくる、リラックスした気分で観れる逸品だ。




2002.5.13 『襲られた女』『サラ』『青空』

ピンク3本。ビデオ&DVD化された高橋伴明監督の大傑作『襲られた女』。5/9のアップリンク・ファクトリーの上映会にて鎌田監督の『サラ』、サトウトシキ監督の『青空』2本立て。上映後監督らと飲み。とにかく毎日眠い。ぐう。

『襲られた女』(1981/高橋伴明監督作品)★★★★★
ピンク史上に残る名作とされており、ずっと観たかった作品。最近DVDとレンタルビデオが登場したので早速借りてみた。これがやはり評判通り、素晴らしい出来。月並みな言い方しか出来なくてもどかしいが、骨太で男臭くて情けなくて胸がいっぱいになる傑作だ。何だろうな、この感じ。『冒険者たち』的であり、アメリカンニューシネマ的な男2人と女1人の不器用な生き様を描いた物語。相棒の若者と危ない橋を渡るコミカルかつ人情味溢れるダメ中年男を演じた下元史朗はそのフィルモグラフィーに燦然と輝く名演と言ってよかろう。そして特筆すべきはラスト。やるせなくて馬鹿馬鹿しくて、そしてなんたるドラマティックさであろうか!傑作である。

『サラ(若妻 不倫の香り)』(1996/鎌田義孝監督作品)★★★★☆
鎌田監督の作品はこのデビュー作ともう1本しかない。今回初めて観たわけが、ツァイ・ミンリャンの「愛情万歳」に通じる作風と物語で、素晴らしい作品だった。(ツァイミンリャン好きの今岡信治が脚本に絡んでいるせいであろうか。)しかし、それを差し引いても鎌田監督の演出には力があると思った。ラストで川瀬陽太が走らせるバイクが小さくなってゆくラストまで、静かに、何処までも淡々とうねってゆく運命。音楽も良かった。これ、隠れた名作ってやつではなかろうか。うん。プロデューサーはサトウトシキ。

『青空(果てしない欲情 もえさせて!)』(2000/サトウトシキ監督作品)★★★
悲しく、力強く、そして熱いのに冷めてる?この感じ。サトウトシキ監督の映画は全編に力強さが漲っていながら何処か覚めてたりする。脚本の小林政広とのコンビによってのみ産み出される奇妙な味だ。一般劇場&ピンク劇場と、ダブルで公開した本作は若者のモノローグによって物語が進む青春映画。日常にフっと非日常が紛れ込んで破綻してゆく、サトウ監督ならではの力作。




2002.5.6.『バーバー』

この日記もどうやら50回目らしい。アホである。それはさておきGW最後の日、恵比寿でコーエン兄弟最新作『バーバー』。可もなく不可もなく。久々の代官山で高価な靴を買っていい気になる。ふふん。ふふふん。その後何故か自由が丘で飲んだくれ。阿呆。甘いもん過剰摂取に注意。打倒糖。打倒無駄遣い。

『バーバー』(2001/ジョエル・コーエン監督作品)★★★
全編美しいモノクロームによる良質のフィルムノワールである。主役のビリー・ボブ・ソーントンはダンディーでインテリジェンスがあって実に渋いおっさん。密度、物語のうねり。コーエン兄弟ならではで、変な勢いに任せてカントリーミュージックに寄りかかった『オー!ブラザー』よか数百倍良い作品である。しかし、敢えて言うならば、物足りない。個人的に『赤ちゃん泥棒』や『ビッグ・リボウスキ』のように運命がくるくる絡まって転がって突き抜けたあの感じ、はたまた『ブラッドシンプル』の多くを語らないサスペンスフルな映像。常に下敷きにはフィルムノワールやハードボイルドがあったが、それをうまく料理して面白おかしい物語を作り上げていたはずのコーエン兄弟も、すっかりベテランの味を見せてしまっているのが残念。落ち着くにはまだ早い。ある部分はやんちゃでいてほしいなあ。




2002.5.4 『風が吹いたらクレイジー・ラブ(陵辱!制服処女)』『ウィークエンド』『Hole』

昨日は中野でDVDを出すことになった高橋伴明監督にご挨拶。んでもって今日は友達が来て昼間からベランダにテーブル出してビールとワイン。至福。青空と太陽、久々に浴びまくったせいか夜はぐったり。慣れないこたあするもんでなし。ふひー。それでも下北でビール2杯かっくらって帰宅。気付いたら黄金週間もあと1日。合掌。

『風が吹いたらクレイジー・ラブ(陵辱!制服処女)』(1986・福岡芳穂監督作品)★★★★
名優・下元史朗が「ハードボイルドなんて大っ嫌いだ」というC調な探偵を演じた人気シリーズ第3作目。脚本はガイラさんこと小水一男に加え、阪本順治の名前も連ねている。とにかく松田優作の「探偵物語」ばりの軽快なテンポと台詞で描かれた好編だ。サングラスを決してはずさない下元さんがイカす。モノローグもばっちり決まってるし。それにしても90年代以降、この手のエンターテインメント性に満ちたピンクはなかなか登場しなくなったのは何でなんだろうなあ。

『ウィークエンド』(1967・ジャン=リュック・ゴダール監督作品)★☆ 
ユーロスペースにて。60年代の大問題作として名高く、『はなればなれに』と共に大学時代からずーっと観たかった本作だが、かなりきつかった。最初の交通渋滞の異常な長回しこそ馬鹿馬鹿しくて良かったが、後半の豚撲殺、鳥惨殺、人肉混ぜ混ぜカニバリズム集団たちにはひきまくり。がっくし。

『Hole』(1997・ツァイ・ミンリャン監督作品)★★★★
ツァイミンリャンは極端に台詞を排除し、役者たちの"行動"だけで見せてゆく希有な才能の持ち主である。バックミュージックというものが存在しないのはエリック・ロメールともかぶるところ。それでもわんわん泣く女や空虚感に満ちた顔でうろつく男を観るとたまらなく切なくなる。映画全体の体温は低く沈鬱だが、感情だけは突如熱く解き放たれる。そういう魅力だ。『愛情万歳』という映画が観た直後より、その後じわじわと心にしみてきているのもそういうところによるのかもしれない。で、本作は合間合間にミュージカルシーンが挟まる異色作だが、基本はある日穴が空いてしまったマンションの一室の階上の男と階下の女の物語。何の変哲もない男が文字通り女を"救い上げる"ラストが良い。ミュージカルシーンを大胆に取り入れたことでずいぶんポピュラーな印象になったのも確か。名作である。




2002.5.2.『DOG★STAR』 /『1・3(セックスフレンド 濡れざかり)』/『来るべき光景(赤い情事)』

アップリンクの掲示板に「私信で失礼致します」という書き込み。宛名は「なほへ様」。また悪い癖で心は過去にずるずると引きずられ。何でまた知らなくて済むことを教えたがる。どーして女というやつぁ、ういーひっく、ってなもんで。毎日飲んだくれる日々。下北でヒルタさんにもの凄く良い居酒屋を教えてもらった。隠れ家的で、おじちゃんとおばちゃんが切り盛りしてて、かかってるのはキャンディーズとかで、料理がうまくて、酒はビールと焼酎とウイスキーくらいしかなくて、居心地抜群。

『DOG★STAR』 (2002・瀬々敬久監督作品)★★★
瀬々さんの一般映画。一歩間違えばお寒い内容な上に盲導犬協会と井川遙サイドからの圧力か、瀬々さんらしからぬ映像も飛び出したが、ギリギリのところで(まあベタはベタだが)感動作と言えるところまで持って来ている。冒頭でトヨエツ犬が四つん這いでフンフン木の匂いをかいでいるあたりは、やばい、と思ったが、見終わってみればそれなりに良質のファンタジー的な後味である。何つってもやっぱり"ロケ地の神様"が憑いているといわれる瀬々さんらしい風景が後ろにあるのだが、ピンクであれば存在感の大きいそれらの風景も井川遙の背景に過ぎないのは一般映画の哀しいところか。盲導犬役のトヨエツはまさに捨て身の演技で、いろんな意味で涙無しには観られないぞ!

『1・3(セックスフレンド 濡れざかり)』(1999・坂本礼監督作品)★★ 
爽やか野球少年幽霊箪。全体的にちょいとゆる過ぎながら、監督当時25歳のデビュー作。若さ溢れる好編にはなっている。ロケ地は本当にど田舎で蝉がみんみんみんみん。ノスタルジックな気持ちを呼び起こす。んでもってラスト付近はフィールドオブドリームスみたいに試合やるんだけど。いまひとつ盛り上がりに欠ける。台詞も何かこう、観てて照れるんだな。ちなみに脚本は瀬々敬久、今岡信治との共作。

『来るべき光景(赤い情事)』 (1996・瀬々敬久監督作品)★★★★ 
瀬々さんのピンクの中でもかなりハイレベルな作品だと思う。ストーリーはシンプルだが、複雑で奇妙な味の残る作品だ。予知能力を持つな女(葉月螢)を巡る登場人物たちの悲劇と運命を描き、登場人物が全て因果関係で繋がっているかのような濃密で沈鬱な物語。マジックミラー越しの悲痛な会話は「パリ、テキサス」がネタだろうか。訪れる濡れ場もとにかく"痛み"に満ちている。んでもって運命の女を演じた葉月螢が良い。良いったら良い。




2002.4.28 「病院へ行こう」より数百倍面白い滝田洋二郎の『桃色身体検査』

『美少女ブロレス失神10秒前』★★★
『桃色身体検査』★★★★★
『緑の光線』★★
『内なる傷痕』★

『美少女ブロレス失神10秒前』。ロマンポルノ版「カリフォルニアドールズ」といった感じで好感度大。噂に聞く山本奈津子さんの80'sバブリーなキャピキャピぶりにびっくり。金子修介の『濡れて打つ!』も早く観たいぞ。続いて滝田洋二郎の『桃色身体検査』。牧師姿の大杉漣とトラキチのおっさん(螢雪次郎)が死体を盗んで一山当てようとするが。。。これぞスラップスティック!後の滝田監督の代表作『病院へいこう』の数百倍面白い気がしたのは気のせいか?テンポも素晴らしいし。続いて仕事関係でエリックロメール『緑の光線』、フィリップガレルの『内なる傷痕』。どっちも寝はぐった。柄にもないことはするもんじゃなし。

今回はロマンポルノ絡みの話が多いが、今日は87年の傑作『母娘監禁・牝』のヒロイン、前川麻子さんの主催するアンファンテリブルの2人芝居を観に広尾のレストラン"COREDO"へ。演出に『母娘監禁・牝』を観て映画監督になろうと思ったという今岡信治氏、共演に今岡監督の『彗星まち』『デメキング』の長曾我部容子さん。バーカウンターで行われるお芝居をまったりと酒を飲みながら鑑賞。お芝居終了後、今岡監督から前川さんを紹介してもらい、『母娘監禁・牝』のDVD化についてご本人から激励を受けて気合い入る。ふんがっ。それにしてもパンフの今岡監督の文章、すごすぎ。"おしっこ"であそこまで"もののあはれ"を感じさせられるのは彼だけだろうなあ。ふはは。




2002.4.21 ウォータズ・ハイ/ザ・投稿ビデオ/妖婆・死棺の呪い/空き部屋

『ウォーターズ・ハイ(暴行クライマックス)』★★☆
『ザ・投稿ビデオ(特別生企画 ザ・投稿ビデオ)』★★★
『妖婆・死棺の呪い』★★★★★
『空き部屋(団地妻 隣のあえぎ)』★★★★

VHSにて佐藤寿保監督の初期作品『ウォーターズ・ハイ』。瞑想タンクとコインロッカーベイビー。一級のサスペンスとして楽しめる作品だ。しかし今ひとつパンチ力には欠けた。続いてサトウトシキ監督『ザ・投稿ビデオ』。疲弊した主人公のAV監督の姿はトシキ監督の投影か?なかなか面白かった。
吉祥寺バウスシアターでタマネ兄さんとロシアのカルトSF『妖婆・死棺の呪い』。ずっと前から観たかった本作、大蔵怪奇映画を思わせる大大大傑作だった。原作が実はあのイタリアンホラーの草分け的傑作『血ぬられた墓標』と同じゴーゴリの「ヴィー」。とにかく棺の中の美女との格闘の映像が素晴らしかったなあ。んー。もう1回観たいぞ。そして六本木ゾーンのイベントで元同僚達と合流。オッシャレーな雰囲気から一転今度は池袋の新・文芸座へ。毎年行われているらしい昨年のピンク映画を総括するピンク大賞なるイベントへ。監督、キャスト、その他関係者ぞーろぞろ。いろいろな人からDVD応援してますと言われた。
2001年度ピンク大賞を受賞したサトウトシキ監督の『空き部屋(団地妻 隣のあえぎ)』を鑑賞。脚本は今岡信治で、やはり特異なキャラクターがそれぞれ確立しており、コミカルだけどやるせない、スキのない作品だった。中でも女房が浮気しているのを止められないダメダメサラリーマン役の田尻裕司監督がハマり過ぎてて笑えた。
夜中は元同僚の家でくつろぎつつ朝起きたら憂鬱なくらいの雨。でも不思議と心は晴れやか。気力充実。なかなか悪くない日曜日を迎えたのであった。ちゃんちゃん。





2002.4.19 全然痴漢電車じゃないけれど、まさに感じるイボイボ

4/18はNIPPON EROTICS FILM ARCHIVES。田尻裕司監督『姉妹OL抱きしめたい』今岡信治『イボイボ』の上映、そして両監督と俳優の川瀬陽太さんによるトークが何とか無事終了。『姉妹OL抱きしめたい』は良く出来た女性主観のドラマで、案の定女性陣で泣く人がいたが、個人的にはやはり大画面で再び観た『イボイボ(痴漢電車感じるイボイボ)』。女を失って妄想の世界から抜け出せない男を優しく受け入れる少女がいて睡眠薬があって男は夢と記憶と現実をいったり来たりしている。とかく落ち込みに落ち込んでどん底にいるときにタイミングよく天使みたいな少女が現れるはざぁねえのだが、弱い僕らはこの時点でこの映画に多大なる感情移入をしてしまう。やがて少女の愛が男を現実へと着地させるが、今度は少女に悲劇が起こる(このへんの描写がラリってるとしか思えなくてすげー)。そしてラスト。不発弾の代わりに、主人公と同様に無力な僕たちの感情が爆発する。以下はその時にかかっているあまりにも優しい歌の歌詞。この映画の全てを集約するかのような素晴らしいフレーズ。

「眠り薬をください、私にも。子供の国へ帰れるくらい。私は早くここを去りたい。できるなら鳥になって。」
(中島みゆき『鳥になって』より)

『イボイボ』は、僕たちを60分間だけ否応なしにそこにある現実から逃がしてくれる救済の映画である。しかしハマり過ぎて我を失う危険があるため、この映画が大好きだと語る田尻監督やひょんなことから死のうと思っていたのをこの映画がきっかけで止めたという某関係者はトークのためにあえてこの日の上映を観なかった。

一つ前の世代のピンク四天王、佐野和宏の傑作『Don't let it bring you down』では「くよくよしちゃだめだよ。お城が燃え落ちてるだけさ。」ニール・ヤングの歌詞が出てきた。一度戦って負ける、でもくよくよするなよ、というメッセージだ。しかしイボイボの主人公はふらふらと失った女を捜し妄想にかられるだけである。そして天使のような女の子にようやく現実へと引き戻されるが、そこは爆弾すら爆発しない世界だ。

時代は変わる。

思えば同時期に流行っていた『エヴァンゲリオン』ともすごくリンクする映画である。そして残念なことに本作はラストの曲が中島みゆきであることからビデオ化すらできない、幻の作品なのだ。どこからかくにゃくにゃと運命の糸がやってきてこの映画に出会えた自分は幸せである。

終了後監督達と渋谷で飲んで下北ストーリーズへ。3時過ぎに帰宅。会社のことを考えると頭痛がした。頭の中には中島みゆきがぐーるぐる。合掌。





2002.4.13 阪神絶好調!オウムだコギャルだユンピョウだ!プチ映画評大放出の巻

『A』(1998/森達也)★★☆
『血を吸うカメラ』(1968/マイク・パウエル)★★★★
『痴漢電車 下着検札』(1986/滝田洋二郎)★★★☆
『チャンピオン鷹』(1987/ユン・ピョウ)★★☆
『コギャル喰い・大阪テレクラ編』(1996/友松直之)★★★★☆
『TURTLE VISION』(1994/佐藤寿保/公開時タイトル=「盗撮リポート・陰写」)★★★☆

アップリンク・ファクトリーにて『A』。言わずと知れた麻原逮捕後のオウムのドキュメンタリーだけれども、荒木広報部長らからは何ら危険な香りもスケールも感じない。しかし転々とし行く先々で存在自体が問題となる彼等の姿には何だかいろいろ考えさせられはした・・・が!しかし!135分、立見でちかれたびー。もう一度ゆっくり観たし。ぼよーん。
『血を吸うカメラ』はVHSにて念願の初観賞。オープニングがあまりにもかっちょよくて巻き戻してもう一度観てしまった。そんでもって怖いよか結構せつないんじゃーうわー。名作。必見。
『痴漢電車下着検札』は滝田洋二郎がピンク時代に連発した探偵モノのピンクの一作。また竹中直人のデビュー作でもあり、TVの中で松田優作になりきり、また松木清張なる推理作家としても登場。しっかりエロであり、魚拓ならぬマン拓をめぐるミステリーも良く出来ているのは差すが80年代だなー。うん。
『チャンピオン鷹』。少林サッカー以前にクンフ−×サッカーを試みた柴田恭平・・・じゃなくてユン・ピョウ主演の珍作。内容はジャッキーチェンのノリで軽い感じ。少林サッカーのウォーミングアップに皆様もどうぞ。
『コギャル喰い・大阪テレクラ編』は最近大槻ケンヂ脚本の『STACY』を撮った友松直之監督の傑作ピンク。スプラッタ−描写に目が行きがちだが、結構ファンタジー的な部分も含めて映画としてなかなか満足させてもらった。ラスト、結構泣けたりして。結構エロ度も高く、ピンクとしても成り立ってる。素晴しい。
『TURTLE VISION』。盗撮を仕事とするカメラマンが、ふと目にしたのは、夢遊病的に売春を繰り返しふいに相手の両目をカッターで切り裂く女子高生。一体彼女の脳裏に眠るトラウマとは・・・?佐藤寿保監督の90年代を代表する一作。サイコスリラーとしての出来は満点!佐藤監督の他作品では描かれなかった形の悲しく美しい"血"が流れるラストがせつないぞー。うん。





2002.4.7. 全米人気ナンバーワンTV番組『サバイバー』日本版がいよいよスタート。

『海の駱駝』(1995・松岡邦彦監督作品・公開時タイトル=「どすけべ母娘」)★★★
ピンクです。素晴らしい脚本は瀬々敬久によるもので、宿命的なヒロインを演じるのはピンクを代表する名女優・葉月蛍。当時初めての主演にして強烈な印象を残している。ラストの砂丘で「死なないで」と青年を背負って歩きつづけるシーンはピンクの枠を越えたスケールを感じた。

毎日眠い。春めいてきたせいもあるんだろーが、尋常じゃない眠さだ。金曜は4時までストーリーズ、土曜は元同僚らと朝まで下北〜自宅で飲み。ぼーっと洗濯なぞしつつだらだらテレビを観る日曜日。
今月はピンクの上映イベント進行とアキ・カウリスマキDVD-BOXの営業が中心。ふとしたきっかけで辞める辞めないの気の迷いから開放されて結構気力が充実してきたゲンキンな俺様なのであった。うひょ。
それはそうとTBS系列で4/9から全米人気ナンバーワンTV番組『サバイバー』日本版が始まる。とにかく賞金をかけた参加者たちが無人島で1人生き残るまでサバイバル生活を繰り広げるという根源的な企画番組で何せアメリカでは視聴率50%という驚異的な数字をたたきだしたモンスター番組。『UFO少年アブドラジャン』をウズベキスタンの国民60%が観ているというのとは桁違いにすごい数字である。日本版は賞金や人数ともにミニマムにはなっているが、それなりに期待したい。