製作:ジョン・マルコビッチ 監督:テリー・ツワイゴフ 原作:ダニエル・クロウズ 出演:ソーラ・バーチ スカーレット・ヨハンソン ブラッド・レンフロ スティ−ヴ・ブシェミ |
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もちろんあたしたちは、あそこまでキちゃいないし、ブシェみたくダメ男とあんなことにもならないし、悲しいかなあんなに若くはないけれども。
なんとなく居心地の悪い世の中。
自分がこの先、どーなっていくのかなんか全然見えてこない。
自分がそうたいしたことないこともホントは知っている。 それでも何かできるって信じたい。
多分、そうやって足掻いているうちは大丈夫。 アナタにも、そしてあたしにも、そのうちきっとバスは来る、はず。
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まず私が今自宅のリフォームをするにあたって役に立ったのがイーニドの部屋。 彼女の部屋にあった棚なんだけどこれコモエスタ八重樫さんちにあったやつの色違い
! (彼んちのはやまぶき色) 今をときめくミッドセンチュリーものの家具ってやつですね。 んで感心したのがそんな部屋だったら壁紙も強烈な色を持ってくると思いきやなんと
壁紙は水色! そうそう話がそれるけど彼女が部屋で聴いてた曲がピストルズじゃなくてアンダー
トーンズ。 んでところかわってブルース好きの(ブシェミ)の部屋も凝りに凝っていた。
多分こっちの方が印象に残ってる人が多いのでは? こちらは50年代家具が印象的な落ち着いた暖色系インテリア。 そりゃあもう映像からプンプン匂ってました。コレクターの部屋のあの匂い(笑) 最後にこれだけではなんなのでやっぱり感想を。
じゃあ外見的にはどうよ、どうよ? 該当すると思われる女子よ、さあさあ学生時代の写真を持ってきて頂戴! みんな外見的にはどっちかっていうとレベッカのほうなんじゃないの〜? え、そういう私はどうなのかって!?
ふっふっふ。私の場合は怖いくらい外見が似ていたのだ。 男を意識してないぞといわんばかりのメガネにぷくぷく体型。 それにこれがあたしよ、あたしの個性!と言わんばかりのすっとんきょうなファッション等。
でもこの発言、別に私は「あんたたちとは違うのよ」といった自慢ではない。
それどころかすごーく勇気がいる告白である。 そこで考えてみた。
今回、「私みたい」って思った人は ウェルカム・ドールハウスのブスッ娘ことヘザー・マタラゾには自分を重ねられたのであろうか?
話にマタラゾが登場したので紛らわしい話の展開になってしまったけど
イーニドってみた目も存在も「下の下」じゃなくて「はみだしっこ」だったから共鳴 しやすいんだと納得。
しかし「ゴーストワールド」はものすごいイタい。 でもこういうイタさって青春時代に1回は経験しておきたいもの。 男の人ならやっぱブシェミのイタさに泣きそうになったんだろうな〜。 |
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この映画のソーラ・バーチに近いテイストを持った女性といえば、
やはりトッド・ソロンズの『ウェルカムドールハウス』で親からも、いじめっ子から も、いじめられっこ子らも、ついでに監督からもいじめられていたヘザー・マテラッツィオか。 上映前の『スタジオ・ヴォイス』での特集を快く思っていなかったみなさんも安心のデキ、です。 スキップジェイムスやロニージョンソンを学生時代に聴いていたような人が 観れば、嬉しいやら悲しいやら、情けない気持ちに目一杯させてくれる、そんな映画。 『かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう』とのたまったのは、
今は本屋の主である早川義夫だが、この映画はもっと深い。 |
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この映画の舞台となるのもアメリカの典型的な田舎町だ。 しかし主人公達の魅力的な人物造形で満たされた物語のラストは、我々の身にもつまされるような複雑で割りきれない印象を残す。
町を出ていった少女は、おすぎの「ブスは町を出なさい!町を」発言を筆頭に、 メディアでさんざんブサイク呼ばわりされているソーラ・バーチが演じているが、しかし彼女がブスかどうかはともかく、町を出て、果たしてその先には何が待っているのだろうか。
人生の可能性が無限に開かれているというのはおそらく虚構である。
「町を出なさい!」というような断言を、やはり楽天的で無責任な放言として否定 しつつ、この映画のラストには安易な「問題提起」
などではなく、稀有の諦念と残酷さが秘められているのでは ないか、とひとり勝手に想像したりしているのだ。 |
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