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Mojo Silly Talk Vol.120


2003年07月02日(水) 地獄のローパー=必殺緊縛人・下元史朗 の巻


▼密かに構築していたニッポンエロティックスの裏サイトを立ち上げる。いろいろ面倒なのでロマンポルノ女性友の会と知り 合いにしか公表せずマイペースでやってこうと思う。そしてロ マンポルノやピンク映画の面白さが少しでも広がって行けば良 いと思う。▼『地獄のローパー 緊縛・SM・18才』をビデ オ鑑賞。(ビデオ時の改題タイトルは「SM18歳 クレーン宙吊り 」(爆))なかなか突き抜けた映画である。80'sなサングラス着 用のオーナー(池島ゆたか)のSMクラブに同じく80'sなサングラ ス着用の客(外波山文明)がやってきて、池島オーナーの各サー ビスの解説(ダジャレ付き)…ってもうふざけてるのか何なのか わからない奇妙なオープニング。さらに追い討ちをかけるよう に髑髏マークの眼帯着用の地獄のローパーこと下元史朗がじゃ じゃじゃじゃーん!と登場して椅子から落ちそうになる。テー マソング込みでか、かっこええ。。。ピンクなのにダンディな 緊縛師・下元史朗が必殺仕事人のごとく大活躍。後半彼に復讐 を挑むナチスの軍服に身をまとった(い、異常だ…)ヤンキー姉 ちゃんとのデッドオアアライブな対決。そして勝者が敗者にほ どこす仕打ちがすごい絵面!夕日綺麗…とか言ってる場合じゃ なくてここで初めてビデオタイトルの意味が明らかに!とにかくこれは良い拾い物なのであった。ありがとうSさん。
『地獄のローパー 緊縛・SM・18才』(1986/国映/新東宝 映画/監督・脚本:片岡修二) ★★★★

2003年07月04日(金) トンデモDVD企画の行方/驚異のA・ホドロ フスキーBOX
▼故・谷岡ヤスジの奥さんに電話。某企画の相談をしたところ 非常に嬉しそうであった。そして言葉の端々にヤスジさんへの 愛を感じた。来年は復刻も相次ぎそう。ヤスジブーム到来であ ろうか。すかさず企画書を練るためにU氏と電話で打ち合わせ 。そして大物俳優S氏の方はといえばずっと留守電。あれはや はり夢か?幻か?ぱぱんがぱん。▼HPを立ち上げてみていろい ろトラブルもあって何か一生懸命な自分が懐かしい。その昔" モジョピン"を立ち上げた時もこんなんだったかな。TB氏が手 伝ってくれるようになってからは甘えっぱなしだったし。こり ゃ大変だ。中身作るどころぢゃねーす。はわわのわ。▼杉千代がアレハンドロ・ホドロフスキーのDVD-BOXを買ったのだが、 こりゃほんとすごい箱だね。ホドロフスキー自らデザインのタ ロットカードとかついてるし。インタビュウ満載だし。幻のデビュウ作まで入ってるし。とりあえず今日は『エル・トポ』で ラリルレロ〜ってか。



Mojo Silly Talk Vol.119


2003年06月30日(月) まさに鼻血ブーな展開に動揺の月曜日+『 パイラン』


▼大物俳優S氏とコンタクトに成功。これまた大物のデザイナ ーU氏と絡むことになりそうで何かトンでもない展開を見せる 某DVD企画。いったいどうなる。ダメ元がOKになり、期待半分 不安半分。これからが正念場。まさに鼻血ブーってか。ふぬぬ 。▼3時頃、ニッポンエロティックスシリーズ初期を支えてく れたライターの切通さんが来社。お茶に誘っていろいろと相談 しまくる。勉強になるなぁ。ふむ。▼先日観た韓国映画『パイ ラン』が実に良かった。俺が観るからと言ってパイランといっ てもパイ乱とかそういうエロ映画ではなく(←誰も聞いてない )浅田次郎の「ラブレター」を原作にした号泣必至と言われる ラブストーリーである……が、しかし、妙にダメ男のブルース 的な雰囲気の方が強くて、前半40分なんか本当に社会の底辺で 生きるチンピラ主人公のダメさ加減を延々と描くもんだからび っくり(俺は大いに感激したが)。とにかく会ったこともない 女の骨つぼ抱えて徐々に変わってゆく主演のチェ・ミンシクは 何だか『ガルシアの首』のウォーレンウォーツのごとく情けな くてかっこよいのである。「何でああいう良い娘が死んでおめ ーが飯食ってんだ」とか弟分に絡んだり、病気だった女を見殺 しにして「借金誰に返してもらおうかなー」なんて抜かす心無 いおっさんを蹴り飛ばすシーンなど最高である。そして"最後 の手紙"で号泣するシーンは本当に不様で生々しくてもらい泣 きしてしまった。もちろんヒロインのセシリア・チャンも薄幸 美人役がハマりまくり。男に都合の良い設定ってのは否めない けれどもとにかく健気で泣かせるんだな。。。というわけで" 最後の手紙"までは良かったがその後のエピローグがあまりに 残酷過ぎて涙がひっこむほどであった。シチュエーションも含 めありゃちょっとやり過ぎだろ〜。どうせやるなら「何でおま えみたいのが生きてんだよ」とか言ってヤクザのボス蹴り飛ば してヤケクソで破滅するか(それって『ガルシアの首』じゃん )、さてと人生やり直しかーってとこであっさり車に轢かれる とかにしてほしかった(それって『砂漠の流れ者』じゃん)。 しかしまあそれを差し引いても力作である。ラブストーリーな ぞ観ん!という男気映画ファンの人も必見。
『パイラン』(2002/ソン・へソン監督作品) ★★★★

2003年07月01日(火) 荒木監督来社/ユーロトラッシュ活弁 他

▼今度の林由美香特集の件で荒木太郎監督が来社。手作りパン フとかメイキングビデオとかを持ってきて、いろいろと面白い 話を聞く。今まで会った監督の中でもエロに対する姿勢とか、 映画への向かい方が随分違う印象。裸で勝負してるんだから、 まずはエロく。それでいて見終わった時に映画を観たんだーと いう気分になってくれればこれ幸いと。斜陽のピンク業界で非 常にいろいろとイベントや活動を行っている荒木監督。頭が下 がる思い。▼映画秘宝T氏にお届け物、ついでにいろいろ企画 の相談に乗ってもらう。夜になって帰社、ファクトリーで山田 広野氏のイベント。ユーロトラッシュに活弁をつけるというの である。『獣人』という着ぐるみの獣とイタリア美人が絡む空 いた口が塞がらないトンデモ映画をヘリウムボイスが同時解説 する妙技。面白い企画だったと思うけど前回にくらべちと客足 が寂しくて残念。▼そういや大物俳優S氏から渋〜い声で留守 電が入ってた。んーどうやら夢ではないらしい。しかしどーす りゃいーんだ。ってなわけで前途多難なのに代わりのない火曜 日。日記と某原稿書いてる途中で寝ちゃって気付いたら朝なの であった…。合掌。



Mojo Silly Talk Vol.118


2003年06月25日(水) 渚ようこが歌う映画のロマン


▼本日はニッポンエロティックス史上(今のところ)最大の作戦 、『白い指の戯れ』DVD発売記念の渚ようこさんのライブ。さ らにその後、あの荒木一郎御大を迎えてのトークなのであった 。▼渚ようこさんのライブは若松孝ニ監督の『天使の恍惚』の テーマソング、神代辰巳監督の『悶絶!!どんでん返し』から「 懺悔の値打ちもない」、相米慎ニの『ラブホテル』から山口百 恵の「夜へ」などロマンポルノ、ピンクの使用曲から「トラッ ク野郎」に使用された曲まで幅広く選曲。映画ファンにはたま らない素晴らしいアコースティックライブとなった。ラストは もちろん『白い指の戯れ』から「ばっかじゃなかろうかルンバ (マイアミビーチ・ルンバ?)」。お客の感想も非常に良く、 これはちょっといつか続編やらんといかんなあ。▼しかし夕方 突如MCやるハメになった私ナヲイはゆっくり観る余裕もなくト ークの台本作って焦りまくり。そりゃもうフランス戦に中田の 代役やれって言われたようなもんで(←例えも焦って適当にな ってるわい)。おまけに超満員ではないか。あわわのわ。▼そ していよいよ荒木一郎さん&渚ようこさんのトークの時間。荒 木さんが饒舌に次から次へと貴重な話をしてくれて、渚さんも リラックスしてお相手できたようで良かった。「プレイボーイ という噂を…」などという渚さんの不敵なツッコミにも笑顔と 饒舌なトークで対応するスマートな荒木さん。過緊張男ナヲイ がぼそぼそ声で聞き取り難かった以外はお客さんは楽しめたん ではなかろうか(多分)。いやしかしご関係者の皆様、御来場し てくれた方々、本当にありがとうございました。▼平日という こともあって遊びに来てくれた旧スタッフらと簡単に打ち上げ て帰宅。泥眠。 2003年06月27日(金) 山田広野の夜の活弁(秘)レポート vol.2 ▼本日はやはり『白い指の戯れ』を愛するアヴァンギャルド活 弁士・山田広野氏のエロ作品を厳選した活弁ライブ。イベント 前に山田さんに取材が入っていて、そこでニッポンエロティッ クスを紹介してくれて嬉しいのなんの。▼さて今回はvol.1の 時よりお客が倍増、「刑事まつり」に出品された「実録・DV刑 事」の生活弁ヴァージョンを始め、ライブならではの?危険な 作品も次々飛び出し大盛況。やっぱり「ぼくの大統領」はおも ろい。内容言えないけど(笑)▼イベント後、遊びに来てくれ たオスカー先輩、犬棒らも交え、山田さんを囲んで打ち上げ。 しかし山田さんがいるとついつい今後のニッポンエロティック スのリリースやイベントについていろいろ相談しちゃったりし て。んで1つ面白いこと思いついて、ちょっと何とか実行でき ないかなぁと妄想。企画ってこの思いついたときだけは楽しい んだよなあ。▼というわけで本日も来てくれた皆さん、関係者 の方、おつかれさまでした。イベントも一段落。しばし旅に出 ます…って暇などない。いろいろこれからも大変だ。何やかん やで今年ももう半分過ぎてるんだよなあ。年内に幾つ企画を実 現できるだろうか。むう。



Mojo Silly Talk Vol.117


2003年06月21日(土) ウィッカーマンDVD/チャーリーズエ ンジェル・フルスロットル先行上映


▼朝から「天才マックスの世界」鑑賞。やはり素晴らしい。ビ ル・マーレーが本当に良いんだこれが。新宿に出てdiskUNION で予約していたウィッカーマンDVD購入。1年以上かけて作 り込んだという物凄い仕様に感心する。ツタヤで日活のK氏か ら来週の上映用素材受け取り後、夕食を取ってレイトショーで 「チャーリーズエンジェル・フルスロットル」先行上映。オタ クな週末だ。。。▼チャリエンは素晴らしかった。期待通りだ った。プロデューサーも兼任のドリュー・バリモアとエロに何 も抵抗なく迷いの無いキャメロンディアスは偉い。何を客(特 に男)が期待してるかよーくわかっている。もはや物語はどう でも良かったが過剰とも言えるゴージャスでサービス精神旺盛 な内容にブラボー!何でもいいぞー!やれやれー!というお祭 り気分で鑑賞。美女、お色気、アクションが出し惜しみなくフ ルスロットルな展開に何だか中学生に戻った気分ではしゃいで しまったのであった。合掌。 2003年06月22日(日) 村川透監督インタビュウ/コンフェデカ ップはあっさり終了 ▼映画秘宝編集部のT氏と村川透監督宅でインタビュウ。「白 い指の戯れ」〜「最も危険な遊技」「蘇る金狼」他、邦画ファ ンにはたまらない話題が次々続出。発熱で体調悪いながらイン タビュウに応じてくれた村川監督に感謝。新作のTVスペシャル 版「西部警察」を期待して待ちましょう。ちなみに白い指の戯 れのDVDパッケージと復刻版ポスターも気に入ってくれた模様 。あ、記事の掲載は来月号になる予定なのでお楽しみに。取材 後ドトールでT氏と打ち合わせ、というかDVD企画等の相談。す っかり話し込んで夕方に。▼その後別れてさよならパンテオン &東急文化会館企画で「燃えよドラゴン」を観ようと思ってい たのだが、どうも体調がおかしくなり池袋まで舞い戻り杉千代 と合流して帰宅。▼朝方ビデオ録画したこんフェデレーション カップのサッカー日本代表・コロンビア戦を観るが、最悪の結 果に気分悪くなる。つまらんミスから取られた1点+高原のシ ュートが呪いがかかったかのようにあとちょっとで入らない。 今回のように膠着した時、組織サッカーではなく個々に任せる 内容だと限界があるような気がする。あとジーコさん、顔に出 過ぎ。指揮官が頭抱えたり焦ったりする姿は見たくないなあ。 館さん!(←何故か限定で期 待)



Mojo Silly Talk Vol.116


2003年06月18日(水) 堕靡泥の星/日本代表・コンフェデ初戦


▼『白い指の戯れ』DVDの初回特典ポスターの出来に関して評 判が良い。予約もぽつぽつ入り始めて来週はイベントだし、ポ スターをお店に送ったりする作業もこれから。山はこれからか 。はひぃ。同時に全然別のタイトルの店鋪営業も難航の上、企 画の進行も平行で綱渡りの日々。
▼鈴木則文唯一のロマンポル ノ『堕靡泥の星 美少女狩り』をビデオ鑑賞。則文映画らしい シーンや菅原文太がトラックの運ちゃんで友情出演など見どこ ろもあるのにも関わらず何か今1つ。ていうか原作持ってるけ ど、まあ突き抜けたストーリーがあるわけじゃないしなあ。こ んなもんか。ただラストに流れるテロップであー則文映画だー とちょっと嬉しくなった。くっくっく。
▼今日からサッカー日 本代表参加のコンフェデレーションカップが開催。なーんかニ ュージーランドは全く持って拍子抜けだったが、合わせてなん か日本もぱっとしなかった印象。それでも3点取ったけどな。 個人的には遠藤と稲本のボランチコンビは昔から素晴らしいと 思っていたので今回復活して嬉しい。特にここ2試合の遠藤は 良いなあ。三都主が攻勢に出れるのは彼がいるおかげと言える 。大久保も久々に出てきた期待感のあるFW。がつがつ前向いて 行くしね。それから中村もたくましくなったなー。ちなみにト ルシエがスタンドで観戦。試合後に「私が監督だったら8点取 ったね」だって。はは。そういや通訳のダバディはどこへ行っ た?

2003年06月19日(木) 「天才マックスの世界」DVD発売/複雑怪 奇骨折”イワキ”の巻

▼当月のDVD発売と次月のDVD受注締切り、渚ようこさん&荒木 一郎氏イベントが一気に迫り、M監督インタビューの準備、DVD 企画開発、上映用素材の受け取り次々月タイトルの宣伝会議、 ともうしっちゃかめっちゃかな週末到来。ついでに社長からも あれやれこれやれって1人でやるには限界あるんすけど。やれ やれ。
▼今月末は欲しいDVDラッシュ。一足先に登場はウェス ・アンダーソンの大傑作「天才マックスの世界」。しかも\2500 というナイスな価格。雰囲気は次の「ロイヤルテネンバウムス 」に似てはいるが、シンプルでまとまっててラストも感慨深い ものがあり、個人的にはこっちのが断然好きである。周りの人 間も結構そういう人が多く、ビデオストレートな上に阿呆っぽ いタイトルだし(原題は登場する学校の名前”RUSHMORE”)。 アレクサンダー・ペインの「ハイスクール白書=原題”ELECTION` ”」共々不遇の映画なので、この機会にみんな買いましょう。
▼鈴木則文御大の名(迷)作「ドカベン」をようやくビデオにて 鑑賞。脱力。オープニング、アップになるドカベンのコミック →壁からぽーんと登場する実写版ドカベン→赤とか緑がちらつ くオープニングでラリルレ状態。実写版イワキ、ずっと口から 葉っぱ生えてるし。CGかと思った。んで半分以上柔道部のお話 でずっこける。野球部に入る過程もめちゃくちゃだし。はは。 そうそう、骨がバラバラになっててカルテに”複雑怪奇骨折” って書かれててレントゲン見ると骨が”イワキ”ってなってるのに不覚にも爆笑してしまった。屋上で無言でゆっくりキャッ チャーの構えをする決意のドカベン君とか、気持ち良さそうに 空飛ぶ川谷拓三(一応殿馬らしい)とか。泥酔時とかに観ると見えない物まで見えそうな映画だと思う(何だそりゃ)。ていう か満を持して鈴木則文特集が組まれてもよさそうなもんだが。 。。頼みますよ、自由が丘武蔵野館さん!(←何故か限定で期 待)



Mojo Silly Talk Vol.115


2003年06月15日(日) ドリームキャッチできなかった日曜日


▼目黒シネマで『ドリームキャッチャー』。某所で評判だった スティーヴン・キング作品だったが、苦手な感じのエイリアン物だった。んーだめなんだよな、ああいうの。しかし予想以上にB級であった。最後も凄いことになっちゃってあーあーあー 。でもこののくらい暗くてグロいテッテ的演出の方がスティーブン・キングらしいっちゃらしい気が…。ちなみに監督のロー レンス・カスダンはスターウォーズの『帝国の逆襲』『ジェダイの復讐』の脚本にも参加した人だとか。んで併映で何故かANIMATRIX 『ファイナル・フライト・オシリス』も観賞。フルCGでゲーム っぽかった。何か野球拳みたいにお互い服を…って観てない人に変な想像させてはいかんか。でも美しかったのは確か。

▼恵 比寿〜代官山〜渋谷とオッシャレ〜な街を経て帰宅。借りっぱなしだった『ベティ・サイズモア』を観る。レニー・ゼルヴィ ガー、ええのぉ。ええ女やのぉ。この感じって今岡信治の『恋 する(愛欲乱れ妻)』主演の諏訪さんにも通じる可愛さなような 。情緒不安定で妄想系の役をしっかりこなして、『シカゴ』へ と続く…ってか。映画自体なかなか面白かったし。満足満足。

▼さらに夜中原俊のデビュー作となるロマンポルノ『犯され志 願』観賞。なんかライトタッチというか女流というか。透明な 感じがする映画。長回しとかによる時間の経過がゆっくりとし ていてそこは面白い。まあ何てことない話ではあるのだけれど 。ロマンポルノというより田尻監督のピンク映画とかに近い感 覚はあるので女性受けは良さそうだなあ。 『ドリームキャッチャー』(2003/ローレンス・カスダン監督作 品) 『ベティ・サイズモア』(2001/ニール・ラビュート監督作品) 『犯され志願』(1982/中原俊監督作品)



Mojo Silly Talk Vol.114


2003年06月14日(土)ジェイソンよりも恐ろしい13日の金曜日/ メラニーは行かなくてよし!


▼6/13⇒13日の金曜日。雨。んーいかん何かネガティヴだーと 思いながら仕事で青山ブックセンターにいたら今月発売の某DVDが発売中止になるという電話が入り仕事途中で会社へ戻る。初 回出荷良かったのにな〜がっくし。今までの営業が水の泡+事 後処理で近々のスケジュールが狂うというもんで、頭が痛い。 夜になって辛酸なめ子イベント@アップリンクファクトリー。 前代未聞の超満員!内容が面白かったんでつい最後までいる。

▼6/14⇒明けて翌日。快晴でいよいよもって暑い一日。杉千代 と新宿へ出て時間がちょうど合う『メラニーは行く!』。監督 によって素材も台無しになるもんで、リース・ウィザースプー ンも『キューティーブロンド』『ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!』のような「いささかむかつくけど結構可愛い」感じが「かなりむかつくし顔も良く見りゃ濱田マリみた いな」女に見えてしまうとはね。現在史上最高のギャラで製作中とかの『キューティーブロンド2』に期待しましょう。7時 にタワレコ7Fに到着。妙な繋がりでお知り合いのミュージシ ャン・田中亜矢さんのインストアライブ。アコギで弾き語り。 良いなあ…って浸りつつふと横見たら会社の同僚に加え、大学時代のサークル繋がりの知人が数名。奇妙な再会に立ち話するも、名前が思い出せず。す、すまん。彼。夜杉千代と軽く飲んで帰宅。

『メラニーは行く!』(2003/アンディ・テナント監督作品 ) ★☆



Mojo Silly Talk Vol.113


2003.6.9〜11 負け犬ダイアリー・フルスロットル


⇒6/9▼仕事で移動中の電車内で携帯でものすごいデカい声で 長電話をするおばちゃんが。「しほ!し!志のし!」とかつい うっかり大声になってしまっていて周りからぐっと睨まれても お構い無し。そして読書タイムを邪魔された斜前のおっさんが ついにキレて「ばばぁてめぇ常識ねえのか!」と喧嘩腰で険悪 ムード。ここですごいのがこのおばちゃん。用件をきっちり終 わらせて睨み返し、ふんっとあらぬ方向に目をやったのである 。これにはおっさんはもちろん周囲もかちーんと来たね。空気でわかった。おっさんさらに激怒。罵声が増す。しかし一向に 答えないこのおばちゃん、電話が終わって颯爽と次の駅で降り てのっしのっし歩いて去って行った。俺に「スキャナーズ 」みたいな能力があれば念じて携帯はおろか頭ごと吹っ飛ばしてやったものを…無念。(←阿呆)

⇒6/10▼秋葉原に仕事 で出向いてお得意先のサウンドパークダイナで長時間の商談。 7月末からニッポンエロティックスDVDのフェアをやってくだ さるとのこと。素晴らしひ。そして何故か帰りにお土産に 『幻の湖』公開時オリジナルポスター2点を貰って帰社。 何でか仕事でアザラシ映画の打ち合わせ。いわゆるアメリカ版" タマちゃん"である。日々ピンクだロマンポルノだ言ってる人 間が営業して良いのか?ってくらい純粋でキッズ向けの良作なんですけど。あわわ。

⇒6/11▼夜になってロフトプラスワンに 折り込みの余りチラシを受け取り+ゲストにお届け物に行った のだが、入り口付近で客で来ていた漫画家の駕籠真太郎さんと 目が合って、僕もうっかり入店。本日の主役は佐川一政さん。 柳下毅一郎(特殊翻訳家)、SMの女王様、コスプレアイドルの 声さんらとの濃ゆいトークを展開。途中でピンク四天王の佐藤 寿保監督、漫画家の根本敬氏などが参入。客席で駕籠さんとデ ィープな話題で盛り上がってたらいつの間にかイベントも終了 。あれやこれやで立ち話で長居。雨がぱらついて来たので寄り 道せず帰宅。



Mojo Silly Talk Vol.112


2003年06月08日(日) 怒濤の週末。涙目のジーコ。涙目の俺。


⇒6/6▼女優・林由美香出演作品の特集上映『林由美香症候群1993-2003 』の内容が決定。ビデオ上映ではあるけれど、なかなかの内容 になったんではないかなあ。詳細は後程。▼ピンク映画の老舗 ミニコミ誌PGのHさんと打ち合わせ。イベント、今後のニッポ ンエロティックスの相談などを聞いて頂く。▼夜になって下北の『最も危険な刑事まつり』の藤田組のトーク後の飲みに合わ せて続々同僚&元同僚が集結するが、何故か藤田組と合流でき なくなり、こっちはこっちで飲む…ってどーなっとるんぢゃ。 ストーリーズは満員で北口の適当な店へ。ともかく楽しい飲みだった。ていうか元同僚のみんな、ほんと辞めた気がしないな あ。気付いたら明るくなってて始発組と別れ帰宅。就寝。

⇒6/7 ▼11時頃起きて御飯食べて午後やっぱり寝てしまって気付いた ら夜。下北で御飯食べてレコファン行って帰ってだらだらして また寝る…ってあー堕落した一日。合掌。⇒6/8▼午前中のう ちに家を出て上野へ。犬某と合流し御飯食べてお茶して上野オ ークラでピンク映画。お目当ては今岡信治脚本、坂本礼監督作 品『豊満美女 したくて堪らない!』。今岡さんらしい馬鹿馬鹿しさとダメさとスケールのデカさがある脚本。一発やりたい 若い衆3人がメインの青春映画なんだがしかし、何かみんな熱 いのがどーも違うような。。。もっと無目的でのへーっとして てほしかった。あとヒロインもなかなか綺麗な人なんだが、何か絡みも最後に一回だけだし(しかもそれ自体の撮り方が今一 つ)、勿体無いような。特に佐野和宏演じる漁師の旦那との絡みがもっと観たかった。加えて今岡さんらしい珍妙なキャラク ター設定も随所に見られるなど素材は揃ってたんだが…惜しい 。惜しすぎる。▼3時過ぎに犬棒と別れ、江古田方面へ。杉千 代邸で杉千代・兄らとカレー食べてTVでサッカー観戦(日本VS アルゼンチン)。あー予想通り完敗。もう前半とか立ち上がり から最悪。攻め込まれまくって四苦八苦、何とか攻め込めばカ ットされて美しいカウンターを食らうという切ない悪循環。後半システム変わって1点差になるが、ここで攻めきれずつまんないセットプレーからの失点。勝負有り。はー。しかし大久保 などはキラリと光ったので次に期待したい。ていうか、ベンチ のジーコさん映る度涙目だったような気がするけど、気のせい ?▼帰りに江古田の喫茶店"Poor House"でお茶してたんだけど 朝から目がずーっと痛かったせいか、右目から涙が出続ける変 な状況。エロ映画の見過ぎで目を酷使し過ぎだと杉千代に指摘 されつつ、ちょっと待てエロは関係ねーだろが。なんて思ってたらお店で蘇州夜曲がかかって、そしたらば瀬々監督の『羽田 へ行ってみろ そこには海賊になったガキどもが今やと出発を 待っている』のことを思い出しちゃって涙目加速。いつの間にか思い入れたっぷりな映画になってしまってるんだよなあ。そ んなこんなで深夜になって帰宅。目が痛いので即寝。ぐう。



Mojo Silly Talk Vol.111


2003年06月03日(火) 『白い指の戯れ』DVDをめぐる冒険


▼荒木一郎ファンクラブの代表の方から『白い指の戯れ』DVD 化の御礼と激励の電話。こういうのが一番嬉しい。其の後来たFAX の送り元が某大学の文学部となっており、大学教授らしくてび っくり。いろいろと協力してくださるとのことでもう感謝感激 雨霰。そしてこのDVDにちょっとした奇跡が起こるかもしれず 、今はただ吉報を待つのみ。▼7月のイベントもほぼ決定。今 度は女優・林由美香さん出演作品を大特集する。御本人も協力 的だし楽しいイベントになると良いなあ。▼杉千代と原宿の「634 」で夕食。この店、こ洒落てはいるものの、すごく居心地が良 い。ていうか店員の質が素晴らしい。今ではすっかり常連にな ってしまった。夜も更けて単身下北に戻り、ストーリーズへ。 マスターと2人になり随分と長話。何か不思議とちゃんと2人 っきりで喋ったのは初めてな気がする。前は言いたいことや聞 きたいことを押し殺したり、人の目が見れなかったりしたけど 今は何か自信を持って話せてるような…って気が付いたら午前 2時。焦って帰宅。就寝。

2003年06月04日(水) レディオヘッドの新作がヘビーローテー ションな毎日

▼最近RADIOHEADの新作を買って、最初はまあ相変わらずだな あと思ったくらいだったが、やはり聴くごとに味わいが増して きて。ギター音が気持ち増えてるけど、やはり内に内に向かっ てて、歌詞とか非常にビョーキっぽくて宜しい。自虐的だった りキレ気味だったりそりゃもう大変なもんで。んでラストの"Wolf at the door" は久々に泣けた。▼イベントも落ち着きそうなのでぼちぼちとDVD 営業の仕事にシフトしつつ、次なる企画についてもいろいろと アイディアが浮かんだりして。んー、どうもせっかちな性分で いかん。落ち着けぃ。そういえばヤフオクで漫画を3冊売った ら5600円で落札。バカにならんなあ。夜レイトショーの「散歩 する惑星」を観ようと思ったがなんだか面倒臭くなって帰路へ 。ほぼ雨が上がってたので自転車で移動したのだが、結構降ら れて濡れ鼠。池ノ上の"十二月文庫"でひと休み。コーヒーを頂 きつつ昨日に続き店主のTさんと長話。僕は良い先輩方に恵ま れているとつくづく思う。雨もすっかり上がって帰宅。原稿書 きどするが異様に眠い。杉千代と電話で少し話すが寝ぼけてて 何がなんだか。RADIOHEADをかけっぱなしだったので悪い夢見 そうだったけど、夢も見ず泥のように眠る。起きたら5時半で しばし呆然。朝日など見て意味もなく感慨にふけったりして。 はわわ。

2003年06月05日(木) 深夜の遠隔操作、あるいはアシュラテン プル 

▼朝5時半に起きてしまったせいか頭がぼーっとした一日。何 とか切り抜け夜9時からの某DVD企画の打ち合わせでU氏を待つ が時間になっても現れないので電話してみたらまだ高円寺にい てずっこける。代々木上原に11時という酷い展開になるが、さ らに代々木上原駅から電話すると「隣の代々木八幡駅へ来て。 一杯おごるから。」などと言うので自転車こいで代々木八幡の 飲み屋でようやく出会う。『六月の蛇』みたいに携帯で遠隔操 作されてる気分なのであった。この時既に11時半。むきー!で 、谷岡ヤスジ、ジョージ秋山、、銭ゲバ、恐怖奇形人間、ドカ ベンなどの単語が飛び交うディープなひととき。方針は決まっ た。が、まだまだ夢のような話ではあるなあ。▼下北へ移動し てストーリーズへ。今日はコーキさんの日。年令が1つしか違 わないのにコーキさんは非常にお詳しい。おほほ。いろいろ教 えてもらっちゃったりして。おほほ。んでDVDとかLDの話で盛 り上がってたら古い常連兼現在店員のヒルさんが来店。帰るタ イミングを失う。聞いたレコードいろいろ。アシュラテンプル はジャーマンプログレなのに微妙な笑顔のお兄さんがジャケッ トってのが味噌だよね。2時半頃帰宅。就寝。



Mojo Silly Talk Vol.110


2003年05月31日(土) 負け犬が男になる瞬間---お手本のような 男気映画『8Mile』


▼5/30▼7月のニッポンエロティックスのイベント企画に向けて本格的に始動。某女優さんの特集になる予定。コンタクト取ってみたところ好感触。ついでにロマンポルノDVD企画も進展 。何やかんやで自分で日々を忙しくしてしまってるなあ。むう 。▼5/31▼朝から仕事用のビデオを2本程観る。ようやく観た 自転車不倫ドキュメンタリー『由美香』が面白かった。何か最 後は泣けた。うんこネタがなければ満点に近い。仕事で江戸川 橋の某ギャラリーにて打ち合わせ予定だったが先方の都合で流 れる。ラッキーゆっくり休むぞーと思ったのもつかの間、前日 に届けモノを預かっており土砂降りの雨の中やむなく届けるこ とに。ギャラリーで一杯お茶を頂いて新宿へ。途中飯田橋西口 で大学時代を思い出しノスタルジック状態。何人か当時の知人 友人の顔を思い出すが、今だに連絡を取り合っているのは"かわうそ"ことU氏くらいか。杉千代と合流して『8Mile』。いや ーこの時代にロバート・アルドリッチ的な明解な男気映画を観 られると思わなかった。エミネムどころかラップすら全然聴か ない俺だが、あしたのジョーとかに通じるその心意気はしかと 受け取った。そして"負け犬"映画として傑作である。主人公ジ ミーは冒頭のラップバトルではびびって無言で試合放棄、貧し いトレーラー暮らしを共にする母親はギャンブルとセックス狂 いだし(演じるのはデビッド・ボウイ似のキム・ベイシンガー )、彼女は妊娠しちゃったんで破局、新しい彼女は知り合いにやられちゃうし、友達の1人は銃をふところにしまおうとして 暴発。ラストの奮起まで実に見事な負けっぷり。しかしきちんと最後は男を見せる。ラップとかで引いて見に行かないつもり の人、ちょっと考え改めた方が良いぞ。負け犬、ヤケクソ、信 念、友情などのキーワードがしっかりハマるダウン・トゥ・アースな男気映画の傑作なのだから。
『8Mile』(2002/米/カーティス・ハンソン監督作品)(2003/オ ムニバス作品) ★★★★☆
『由美香』(1997/平野勝之監督作品)★★★★

6/1 70'sの巨匠はこの御時世でもやはり渋〜い追走劇をきっ ちり見せる---『ハンテッド』 ▼お昼に下北で御飯。閉店が噂された名物カレー屋"茄子おや じ"がリニューアルしており、カレーを食らう。其の後こちら も久々なカフェトロワシャンブルでお茶して新宿へ。タワレコ でレディオヘッドの新作を買った後、映画¥1000デーというこ とで『ハンテッド』@新宿アカデミー。むうううう、渋い。渋 すぎる。この前観たクリント・イーストウッドの『ブラッドワ ーク』もそうだったが、流石はウィリアム・フリードキン。70 年代さながらのシンプルな演出で充分に面白い作品を見せてく れる。簡単に言えば戦争で狂気を帯びてしまったベニチオ・デ ル・トロが次々と殺人を犯し、彼に殺しのテクニックを教えたFBI のベテラン刑事トミー・リー・ジョーンズの追走劇なのだが、 戦争で狂気を帯びてしまった犯人と彼を育てた師匠の苦悩と追 跡、という極々シンプルな設定さえあれば充分で、哀しい結末 に向かってあとはひたすらアクションに徹する、という職人芸 。感心してしまうなあ。▼その後久々に西新宿へ出てレコード 屋VINYLなどをひどくひさしぶりに覗き。何も買わないぞーと 思いつつジョナサン・リッチマンの"THAT SUMMER FEELING"の12 インチシングルを発見。もうすぐ夏だしなーなんて言い訳して 、呆れる杉千代を横目に購入。そしたらば偶然にも別会場で年 に2、3回しかやらない40%オフセールなんかやってて汗。や っぱり行ってしまった。其の後VINIYLのレコード袋が全く似つ かわしく無い、というか俺が門前払いされなかったのが不思議 な程の某高層ビルのバーラウンジで阿呆みたいに高いビールを 飲みながら夜景を見るなどいささかヤケクソ気味な行動に出る 。んで「ナンバーワンは俺だ!アイム・ファッキン・キングコ ォォォオオング!」などと叫んで追い出された、というのは嘘 で、大人しく飲んで帰宅。diskUNIONの袋がちらほら目立つ下 北で思わずホッとしたりして。合掌。
『ハンテッド』(2003/ウィリアム・フリードキン監督作品 ) ★★★
*渋谷東急閉館に伴い一時的に復活する東急名画座で6/22に『 エクソシスト-ディレクターズカット版-』が上映!他にk『燃 えよドラゴン』『大脱走』など。



Mojo Silly Talk Vol.109


2003年05月27日(火) 『呪怨2』--- 地に足のついた幽霊映画(←何か矛盾)の傑作!


▼6月末の『白い指の戯れ』DVD発売記念イベントの中身も詰め 切れぬまま、7月〜8月の渋谷区桃色不純会イベントの方向が 定まる。こーゆーのって企画の時はあれやこれや思い浮かんで そりゃもう笑っちゃう程なのだが、実際動き出すと当日まで胃 が痛い。果たしてどーなる。ぱぱんがぱん。▼夜『呪怨2』完 成披露試写に駆け込み。上映を挟んで"降霊"実演とお祓い付き の上映。満席で立見だったが、面白かったので一気に観れてし まった。もうビデオを合わせると4作目になり、ある程度知っ ている鑑賞側はとにかく怨霊が家を訪れた人々やその人に関わ った人を次々呪い殺すという実にシンプルなストーリーなため 「あー次はこいつか」と解ってしまうのだが、このループがだ んだん気持ちよくなってきた。"階段ズルズル"ももう「はい待 ってました」ってなもんで。しかも今回はドラマ性を強めたこ とで飛び道具的な面白さよりも、映画的面白さに比重が増して 、ぶっちゃけビデオ版の焼き直し的な要素が強かった劇場版其 の1よりも面白いと思った。ホラーの続編と言えば過剰サービ スでギャグ方面へとどっちらけて行くのが多いが、その点で清 水崇という監督は地に足の付いた(←幽霊映画なので矛盾する けど)演出で素晴らしい映画を観せてくれた。酒井法子も熱演 してました。あんなことやこんなことや…(以下略)。▼ちな みに本作公開は8月だそう。んでもって次はいよいよハリウッ ドでサム・ライミがプロデュースする『ザ・呪怨(でいいのか ?)』の製作がスタートするとか。『ザ・リング』と違って本 人が監督するだけに大いに期待したい。

『呪怨2』(2003/清水崇監督作品) ★★★★☆



Mojo Silly Talk Vol.108


2003年05月24日(土) 痛すぎる現実&仮想現実、 怒濤の映画 2本立ての巻。


朝方T探偵を下北の駅まで送ってレンタルビデオを返して池袋 へ。杉千代と合流してテアトルダイヤで『アバウト・シュミッ ト』。ジャック・ニコルソンが情けないふつうの爺さんに徹し た佳作である。アレクサンダー・ペインの演出も一瞬『ハイス クール白書 優等生ギャルに気をつけろ!』のようなたたみか ける人物描写も垣間見えたが全体的に抑え目だったがこの映画 にはその方が合ってたように思える。一人称で淡々と、んでな んつーか最後ほろっとね。うん。夕方隣のシネマサンシャイン にて『マトリックス・リローデッド』先々行上映に参戦。あー もーわけわかんないけどアクションシーンは凄すぎて笑ってし まう程の映像満載。ここまで行くとギャグだな、もう。ていう かネオはあんなにスーパーマンみたいに空びゅんびゅん飛んだ か?んで唐突に終わってつづく!って。おい。夜ごはん食べて 下北に帰って来たら連日おつかれさんなM氏から電話。『最も 危険な刑事まつり』初日で舞台挨拶があったらしく「刑事の門 」の藤田監督らと飲んでいるというので顔を出しに行く。「幻 の湖」とか鈴木則文「ドカベン」の話で盛り上がる。何故か同 席していたのは個人的に刑事まつり史上最高傑作と思っている あの「アトピー刑事」(監督=井口昇)にメインキャストで出て いた田中さんという人だった。裏話をいろいろと聞く。ディレ クターズカット版が観たいっす。夜は夜で頭痛い仕事絡みのメ ール有り。あぼーん。

『アバウト・シュミット』(2002/アレクサンダー・ペイン監督 作品) ★★★★
『マトリックス・リローデッド』(2003/ウォシャウスキー兄弟 監督作品) ★★★★★



Mojo Silly Talk Vol.107


2003年05月23日(金) 24アワー・薄幸・ピープル


▼5/22、5/23と『ウェルカム・ドールハウス』DVD発売記念イ ベント"24アワー・薄幸・ピープル"トーク付き上映イベントを 敢行。

▼22日は巨漢ヒロイン"ぶーやん"の悲恋を描いた異色ピ ンク映画『ハレンチ・ファミリー 寝ワザで一発(ぶ〜やん)』 の上映+女池監督、映画ライター轟夕起夫さん、主演のぶ〜や ん役の絹田良美さんらによるトーク。ぶーやんこと絹田さんは 何だかとてもチャーミングな女性だった。客の入りもまずまず で一安心。無理矢理誘って半信半疑で訪れた知人・友人も「面 白かった!」とみんな笑顔で帰ってくれた。映画の魅力とぶー やんマジックのおかげかもしれん。イベント後、関係者+友人 らと飲み。解散したが元同僚のM氏が見事に終電を逃し、自転 車の僕とこれまた元同僚のU嬢と一緒に渋谷から東北沢までて くてくと歩く羽目に。東北沢で軽く飲んで、U嬢と別れM氏を連 れて自宅へ。僕はすぐさま撃沈。M氏は徹夜でうちにあった岡 崎京子の『へルタースケルター』を読破した模様。

▼明けて23 日、以前上映した作品のフィルムを返しにK社へ。大プロデュ ーサーSさんの話は相変わらず面白くてついつい長居してしま う。夜になって『ウェルカム・ドールハウス』上映前の辛酸な め子さん×中原昌也さんによるトーク。司会は2日続けて映画 秘宝編集部の大矢さん。客席も昨日に増して満員御礼で大いに 盛り上がる。上映終了後、観に来てくれていたweezer氏、犬棒 、昨日からおつかれさまのM氏&T探偵、途中合流の杉千代らと 飲み。その後下北でT探偵とサシで飲み、と思ったがストーリ ーズだったので知り合いたくさんでサシってわけでもなく。3 時過ぎにラーメン食って帰宅。しかしレンタルビデオの延滞に 気付いてフリーズ。日本3大無駄金の1つ延滞料金について悩 みながら就寝。



Mojo Silly Talk Vol.106


2003年05月21日(水) めぐりあわない時間たち


朝早くから仕事入り、吉祥寺〜銀座〜新宿〜池袋とDVD営業回 り。実に6店鋪をめぐってチェ・ゲバラとロマンポルノとマノ エル・デ・オリヴェイラとビレ・アウグストを交互に説明する という無茶苦茶なプレゼン…ってまあ毎月こんなんだけどね。 はは。ははは。しかも今日何か暑いし鼻血出るしもう何がなん だか。だみだこりゃ。 んで夜は杉千代と合流して何か映画観ようということになって 渋谷シネパレスで『めぐりあう時間たち』を観たのだが、何か 全く持って世界に入れずオマケに眠くなってしまいニコール・ キッドマンの変な付け鼻とフィリップ・グラスの音楽しか記憶 に残らないという散々な結果。杉千代との待ち合わせにも遅刻 したことも含め、時間はいろんな意味でめぐりあわないのであ った。合掌。しかしこれ、巷の評判はどうなんでしょう?何か とにかく暗くて楽しくない映画だった気がするが…。

『めぐりあう時間たち』(2002/スティーヴン・ダルドリー監督 作品) ★



Mojo Silly Talk Vol.105


5/20(TUE) 最も危険なお遊戯


歯医者で歯形取ってぐにょぐにょしたやつを口に入れられて最 後におほっえへって涙目でむせってしまい看護婦さんにひたすら謝られた朝。雲行きもどんどん怪しくなってって営業で外回り中にぽつりぽつり。新宿、池袋と経て、経て、経てぇえええ …ぐう。何だか一日中眠し。町田康の新作とか映画秘宝の最新号とか読みながらうとうと。しかし某大物映画監督M氏に電話 する時は目が冴えて、まさに危険な遊戯状態。某編集部のTさ んに助けられて(ていうか甘えて)何とかインタビューまでこぎ つけられそう。えがったえがった。ありがとうTさん。しかしまだ油断はできねーす。
夜になってアップリンク・ファクトリ ーでの「ハレンチ・ファミリー 寝ワザで一発」(2002年・女 池充監督作品)上映を覗く。この映画、太った女の子"ぶーやん" の悲恋を描いたピンク作品だが、人物設定と描写が好き。ラス トまでに蓄積するほんのりとした哀切が何とも素晴らしいなぁ 。トーク無しながらそこそこ入ってて一安心。相変わらず女の 子多し。木曜日のトーク付上映はもっと入るかな〜。はてさて ふむ〜。明日はどーなる。ぱぱんが、ぱん。



Mojo Silly Talk Vol.104


■5/16


イベント地獄を通過したと思いきやまた今週もイベントあるじ ゃんか!「ウェルカム・ドールハウス」DVD発売記念イベン トだ。ぎゃびりーん。。。ってまあ何とかなるか? さて、掲示板に書いたように「D.I.」「ばかのハコ船」「ロス ト・イン・ラマンチャ」「3 on 3」などの新作からピンク映画 「猥褻ストーカー 暗闇で抱いて!」阿呆のように映画を観ま くっている。そりゃもう感想を書くのが追いつかないほどに。 追い討ちをかけるように「あずみ」「ハイスクール白書 優等 生ギャルに気をつけろ!」なども鑑賞。面倒なので、全て寸評 でまとめちまいます。。。っていつもか?

「D.I.」★★★★  パレスチナ発オフビート社会派コメディ。しかも忍者が空飛 ぶ奇想天外アクションも有り。背景勉強してもう一度見れば星 5つ間違いナシ?

「ばかのハコ船」★★★  日本のカウリスマキって呼ばれるらしい山下敦弘監督、なる ほどなかなか辛辣でほのぼのとしたタッチは好感持てやす。と にかくダメ過ぎてニヤリ。

「ロスト・イン・ラマンチャ」★★★☆  テリーギリアム幻のお蔵入り作品「ドンキホーテ」をめぐる ドキュメンタリー。ドンキホーテがすごく観たくなるが、観ら れないことも悟らされてもやもや。

「3 on 3」★★☆  佐々木浩久監督最新作。ラッパ我リヤとか何とかいうヒップ ホップの方々を主演にした殺人バスケット映画。ジョンカーペ ンター+ウォリアーズみたいな感じで、CGもたっぷり。悪の総 理大臣に高橋洋、スネイク眼帯をつけた評論家役の黒沢清など に笑う。三輪ひとみもクローンでコスプレ七変化、下元史朗は 丹下段平みたいだし、ヒップホップ期待してた人は唖然?ビデ オ撮りなのが残念。

「猥褻ストーカー 暗闇で抱いて!」★★☆  2002年、葉月蛍主演、池嶋ゆたか監督作品。盲目役の葉月蛍 が殺人事件を紐解くサスペンスタッチのピンク映画。最後の最 後、盲目なのにあれれ?っていうオチがちとご愛嬌ながら、な かなかの力作。

「あずみ」★★★  大味。アクションが物足りないが、かといってそんなにつま らいないわけでもなく。上戸彩見て可愛いなーって連呼する素 としか思えないエンケンが最高。あとオダギリジョーの美女丸 が意外にハマっ(以下略)  

「ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!」★★★★★  ジャック・ニコルソン主演の「アバウトシュミット」が控え るアレクサンダー・ペインの出世作。これは傑作である。細か い演出にキャラクター設定まで全てクリーンヒット。特に主演 のリース・ウィザースプーンの演技が本当に良い。何かむかつ くし。笑えるし。あとウェス・アンダーソンとかにも通じる音 楽のセンスも◎。ちなみに原題は「ELECTION」。素っ頓狂な邦 題に気をつけろ!



Mojo Silly Talk Vol.103


■5/4


▼上映イベント+連日の飲みにより胃がやられる。しかも今一つの客足で痛み増し。メール送った人の反応もないし、俺って 友達いない?なんつってちょっと孤独感じたりしつつ。まあこんなもんか。しかし関係者と飲んでたら次々イベント案で盛り 上がってこりゃまた6月、7月と続いてしまうなあ。

▼『シカゴ』@ジョイシネマ新宿(またジョイが女医って変換されたよ。。。)▼前半はあーミュージカルってどーも苦手だ よなあ、なんて言ってちと眠かったりしたんだが、途中のとあ る描写から妄想と現実が入り乱れてぐいぐい引き込まれてしまった。リチャード・ギアの「それがシカゴさ」って台詞は「人生は全てまやかし」「全てはショウビジネス」(ってキンクス のアルバムもあったよね)ていう意味だったのねん。それがわ かると物語が面白いのなんの。今の時代にピタっとハマるじゃんか。▼貫禄のキャサリン=ゼタ=ジョーンズとちょっぴり踊 りと歌が下手なのがまた可愛いレニー・セルヴィガーが女の生き様を好演。他に実に”粋”なリチャード・ギア、最後まで虚しそうな負け犬役のジョン・C・ライリーら、脇役も充実。ミ ュージカルとしてどうかは置いておいてあなどるなかれの破天荒な逸品。

▼『味見したい人妻たち』『美人秘書 パンストを剥ぐ!』@浅 草シネマ▼前者は一番エロにうるさいと言われるエクセスのピ ンクながらきちんとした映画になっている評判通りの名作。監 督はなにやらこれがデビュー作らしく、何かベテランの撮った ロマンポルノみたいなダウン・トゥ・アースな演出が良い。濃 厚なエロス作品ながら随所に見せる粋な演出と音楽使い方が秀 逸。2003年・城定秀夫監督作品▼後者は97年の池島ゆたか監督 /大蔵作品。名優・佐野和宏がホテル暮らしの作家、ジリ貧ホ ームレスとどっちにもハマっており、女優のことを忘れる程の 存在感。ホテルの一室でほぼ会話とカラミのみで成立する物語 になるほどの夢オチが付いた秀作。人生なんて死ぬまでわから ない。全てまやかしのような・・・ってまたシカゴのお話に戻 る、ってか。



Mojo Silly Talk Vol.102


■4/29


ウェス・アンダーソンの『天才マックスの世界』が6/25にDVD 化!あとホドロフスキーのBOXも!ぎゃびりーん!・・・って なわけで?『ぼくんち』@シネスウィッチ銀座。原作を読んで いなければ、そこそこえー話ぢゃと泣ける人もいるんではなか ろうか。しかし原作が偉大過ぎるので、どうも入って行けなか った。しかし。子供が下手過ぎる。この手の子供中心の関西ノ リの子供の演出であれば、昨年公開の『ごめん』の方が数段上 ではなかろうか。しかし、観月ありさは悪くない。関西弁も放 送禁止用語もそこそこ決まってた。(そういえばこの人昔何か のCMでも「楽・ちん・ぽん」とか言わされていたな。立派立派 。)まあやはり理想は若き日の美保純に違いはなかろう。あと お母さん役ももっとでっぷり太ってムスっとした感じが良いっ てば。つーわけでまあ悪くなかったよ?(説得力無し) それから4/26は"恐怖の箱"初日。新耳袋の木原浩勝さんと女優 ・木築沙絵子さんのトーク。集客イマイチで心中穏やかではな かったが、内容はこれまで経験したトークの中では一番の出来 では?って程濃密な内容。木築さんの物の怪趣向が木原さんと 通じた後は一気にヒートアップ。映画の話から怪談まで、たっ ぷり1時間半も喋り倒してくれました。終了後の拍手は面白か ったぞ〜という拍手。感謝感謝。



Mojo Silly Talk Vol.101


■4/20


映画秘宝最新号。『幻の湖』DVD特集記事、濃すぎ。つーか、 『ウィッカーマン』『レポマン』がいよいよDVDになるってぇ えぇぇええええ?!動揺のせいか、今日は会社のPCが3回クラ ッシュしたぞ。あ、会社のPCと言えば最近変換がエロくて困る 。濡、悶などの文字が一発で変換。ちーとも便利じゃないぞ! ・・・って阿呆なことはさておきハリポタのおかげで2週間で 打切りだったのを見事に見逃していたクリント・イーストウッ ドの最新作『ブラッドワーク』をようやく観た。これがまたイ ーストウッドが爺さんだって以外はまんま70年代!未だにダー ティーハリ−然とした映画を撮っているのだ。素晴しい。つい でに夕陽が差し込む三軒茶屋の場末っぽい映画館で観たんでも う、一体今は何年だ?はたまたこれはオトナ帝国の陰謀か?と 錯覚するほどに昔気質の刑事ドラマ(今回はFBIだけど)。無論 サントラはジャズ。イカすなぁ。というわけで大満足で三軒茶 屋から久々の中野へ。T探偵&オスカー先輩と飲み。"空想科学" っていう謎のバーとか面白かった。夜更けにオスカー先輩宅でTV 観たらWOWWOWで『不倫する人妻 眩暈』(2002/田尻裕司監督作 品)をやってた。佐野和宏ってイーストウッドっぽいよなあ。 松原正隆はヤンキース松井にそっくりだよなあ。。。って今更 思ったり。ピンク館より断然台詞がちゃんと聞こえるので、つ いつい見入ってしまった。至極キレイな映画だが、相変わらず 佐々木ユメカの心情はよーわからん。んで、次の日、新宿で杉 千代と『ベッカムに恋して』。タイトルはもう顔から血が出そ うな派ずかしさ爽やか直球スポ根映画に「ムトゥ 踊るマハラ ジャ」みたいなキテレツな演出が加わった珍品であった。それ とベッカム夫妻はもちろんなんだが、リネカーが出てたんでち とびっくり。



Mojo Silly Talk Vol.100


■4/19(土)


恐怖の箱→24アワー薄幸ピ−プル→も1つDVD発売記念イベン ト、と6月まで続く3月耐久イベントマラソン+日々の業務+ 何故か増えてきた原稿書き(しかも無償(涙))のせいか、疲れ が取れない今日この頃。眠りが浅く、この前なんか『呪怨』み たいな夢見るし。最悪である。それでもクローネンバーグの新 作『スパイダ−』(何度か観たくなる奇妙な味わいの映画)や『 エルミタージュ幻想』(まさに幻想的な迷宮。90分ワンカット ってこれ本当にすげー)などを観賞。しかし何と言っても最近 一番のニュースは岡崎京子の幻の長篇漫画『ヘルタースケルタ ー』が出版されたことだろう。全身整形のアイドルの破滅、周 囲の人間達の悲劇。キレイなもの、醜い物。ゴシップと都市伝 説。相変わらずの天才的なモノローグに導かれ、一気に読破し て、胸をえぐられてしまった。圧倒的である。事故から早7年 。ずっと前から言ってるように今居なければならない漫画家な のだが。。。しかし嬉しいニュースは続く。あのボリス・ビア ンの小説をカバーした『うたかたの日々』も5月に出るらしい のだ。こちらも楽しみである。あとexペイブメントのスティー ブ・マルクマスの新作アルバムが前作より断然良いなあ。マル クマスの裏声シャウトは相変わらずお茶目だ。さてとヨラテン ゴ、田中亜矢の新作で癒されつつ、本日もコリコリ執筆。。。



Mojo Silly Talk Vol.99


■4/7


美女濡れ酒場(2002/樫原辰郎監督作品)
ハウスレスホーム(2002/荒木太郎監督作品)
OL性告白 燃えつきた情事(2002/池島ゆたか監督作品)
スワッピングナイト 危険な戯れ(2002/女池充監督作品) 2002年度ピンク大賞@新文芸座。

噂に聞いていた2002年度各賞総嘗めの『美女濡れ酒場』をようやく観賞。なるほどの傑作であった。いわゆる『シックスセンス』的内容なのだが、本家以上にラストは切なかった。主演女優の山咲小春はもちろん、男優・竹本泰志の名演が印象的。その他音楽やカクテルのレシピなどの細かいディティールまで実に粋。何と言ってもラスト真実に気付く場面の一瞬のゾっとする瞬間→せつなく穏やかなラストの余韻。これは何年かに一度の完成度ではなかろうか。『居酒屋ゆうれい』+『シックスセンス』+『ハートカクテル』な傑作(何だそりゃ)。『ハウスレスホーム』は荒木太郎監督による自主映画なのだが、52分でサイレント。内容的には何のへんてつもない内容で物足りなさが残る。里美徭子という女優さんは可愛いのだが。『OL性告白 燃えつきた情事』はピンク界の大女優"佐々木麻由子"の引退を記念した力作。『スウィートノベンバー』の翻案らしいが、佐々木麻由子は何たる貫禄であろうか。翻弄されつつ成長を遂げる相手役の川瀬陽太も良かった。池島ゆたか監督もダイナミズム溢れる演出とサービスたっぷりの濡れ場を用意。骨太でドラマティックな映画を見せてくれた。感動。『スワッピングナイト〜』は冗談か本気かわからないとぼけた用な演出が独特で面白い。萩原朔太郎の詩をモチーフに画面をガリガリ ひっかいたり音をおかしくしたりノイズ乗せたり、実験的要素満載で賛否両論と言ったところか。僕は結構面白く観れたけども。ピンク館で頭の固い人が観たらあれ?フィルムイカレとるがな。って思うかもなあ。それと葉月螢の壊れっぷりが◎。 というか、授賞式にちょっと遅れてサトウトシキ監督の傑作『ロストヴァージン やみつき援助交際』の主演・佐々木日記さん(佐々木ユメカさんの実妹)を見逃したのが最大の後悔なり。合掌。

■4/8

『the EYE』(2001/オキサイド&ダニ−・パン監督作品)
『OL官能日記 あぁ私の中で!』(1978/小沼勝監督作品)
『WATARIDORI』(2002/ジャック・ペラン監督作品)
『ハレンチ・ファミリー 寝ワザで一発(ぶ〜やん)』 (2002/女池充監督作品)

盲目の少女が角膜移植手術をしたら見えなくていい幽霊達まで 見えちゃって…っていう香港&タイ産ブラインドホラー『the EYE』@シネクイント。恐怖シーンはかなりジャパニーズ・ホラ ーに近い作りでなかなか怖いが、後半には感動系の話へと破綻 せず奇麗に展開し、最後には爆破まであってお腹一杯な内容。 んでもってヒロインが本庄まなみと中谷美紀を足して割ったよ うな美人なので、必見(何だそりゃ)。ま、世の中見えない方 が良いこともあらぁね(何だそりゃ)。 *****吉祥寺バウスシアターの小沼勝特集 『OL官能日記 あァ私の中で!』。 床一面にわんさかいるヒヨコとラスト のカルメン・マキの歌に度胆抜かれるも、映画の方はちーとま ったりした感じ。 *****『WATARIDORI』@新宿テアトルタイムズスクウェア。 話題の渡り鳥のドキュメンタリーである。とにかく鳥、鳥、鳥。 至近距離、空中での撮影は見事で、まるで人の表情や仕種のよう に観えるから不思議だ。世界中の壮大な風景等も含め、日々に疲 れている人は必見。ナレーションも極力少ないのが好感持てます。 それにしてもこの劇場、観づらいなあ。一番裏でちょうど良い高さ って、オイ。だからいつも空いてるんでは…?銀座テアトルシネマ と2館同時公開中なので、観る場所はよー考えた方がいいかもしん ないっす。 *****『ハレンチ・ファミリー 寝ワザで一発』 ずっと前から観たかった異色のピンク映画。ヒロインはみんなから "ぶ〜やん"と呼ばれる巨漢。彼女が好きな先輩と寝られるように周 囲がいろいろ画策するのだが…ってこれがまた良い映画だった。何 か胸に沁みた。ピンク映画で成立させた監督一同の努力に拍手。っ てことで内容はまだ多く語りませんが、この映画、トッド・ソロン ズの傑作『ウェルカム・ドールハウス』のDVD発売記念イベント"24 アワー薄幸ピ−プル"で特別上映決定。ウェルカムドールハウスとの 2本立てで観られるのでお得。ブスで冴えないヒロインの日米対決の 日程は5/22(木)です。この他仕事関係でロマンポルノとかピンクと か数本観るハメに。はひぃ。



Mojo Silly Talk Vol.98


■4/5


吉祥寺バウスシアターで小沼勝監督と女優・木築沙絵子さんの トークショー&打合せ。木築さんは映画で観るのと全然変わっ ていて、美人のキャリアウーマンて感じで一同びっくり。日活 ロマンポルノ館(下の方の"LINK"から飛べます)にその時の模様 が出ているので、チェックしてみましょう。4/26のアップリン クファクトリーでのイベントにも来るので、要チェックです。 さて、その『箱の中の女』DVD-BOX発売記念イベント"恐怖の箱" 〜『ウェルカム・ドールハウス』DVD発売記念イベント"24アワ ー薄幸ピープル(仮)"までイベント三昧でゲスト対応だ何だ頭 がビッグバン。6月にも『白い指の戯れ』DVD発売記念イベント を敢行予定で全く気が抜けない状況。 今日はピンク大賞。ピンク&ロマンポルノのDVDシリーズを始 めて早1年が経過したことになる。あな恐ろしや。忙しいけど 本日公開の『WATARIDORI』と『the EYE』は観たいなあ。



Mojo Silly Talk Vol.97


■3/31 『六月の蛇』 『blue』 『クローサー』 『女はバス停で服を着替えた』

祝!YO LA TENGOのニューアルバム発売!早く買わなければ。 あと半年振りくらいに入った渋谷まんだらけで小池一雄御大の 『ぶれいボーイ(無礼男児)』の持ってなかった巻をゲット。デ ィスコに乗り込んでは「せっか〜ん!」と不純異性交遊を取り 締まるぶれいボーイ先生。そうそうこれこれ。懐かしいなぁ( 遠い目)。

塚本晋也最新作『六月の蛇』試写。ヴェネツィア映画祭で賞を 取っただけあって確かに力作だと思うんだが、塚本晋也作品っ て個人的にどーも、肌に合わん。あと主演・黒沢あすかがあま り好きになれず。葉月螢でリメイク希望。『blue』…監督の原 作への愛溢れる丁寧な演出が光る好編。市川美加子の意志の強 い感じの表情が◎。脇役の娘はかなり魚喃キリコの漫画に出て 来そうな顔だったな。そして何と言っても大友良英によるスコ アは本当に素晴しい。Pacific231による『アカルイミライ』サ ントラ共々コンセプトアルバムとしても傑作である。『クロー サー』…スー・チーをセクスィーに取ろうとするあまりにアク ションがゆるい。アイドル映画だからしょーがないっちゃしょ ーがないんかもしれんが何かこう、笑えてしまうのがどーもだ な。そして何より彼女のためのメロメロラブストーリー挿入も 要らん!こりゃやばいぞ〜!と思いきや後半になって『少林サ ッカー』で全く普通には出演させてもらえなかったヴィッキー ・チャオが覚醒。カレン・モクと一緒にかの倉田保昭(!)相手 に血みどろのワイヤーアクションに挑戦してくれる。映画は駄 作だが、ここだけは観る価値有りかも?他に小沼賢監督、戸田 菜穂、遠藤憲ら出演の『女はバス停で服を着替えた』なども観 賞。北海道の鹿追町を舞台にした素朴な一作也。



Mojo Silly Talk Vol.96


■2003.3.26

『テハンノで売春していてバラバラ殺人にあった女子高生、まだテハンノにいる』
『死霊のはらわた 』
『UNLoved』
『ゴースト・オブ・マーズ』
『帰って来た刑事まつり』
『24アワー・パーティー・ピープル』

『テハンノ〜』試写。これ、以前字幕無しで観たことがあったが、まあ字幕が入ろうと入るまいと、対した台詞もないので印象もそう変わらず。変わったといえばプライマルスクリームと か乱用してた音楽がいろいろ差し替えてあったくらいか。とかく前半はエンディングテロップが逆流し、女子高生が街をうろつくプロモーションビデオみたいでまったりするオープニングがちと眠いが、結構ルックスの良いセーラー服の女子高生がサイボーグ化し、銃から股のバズーカまで景気よくぶっぱなす後半がなかなか小気味良い。感想はそれぞれに任せるとして(爆) 、攻殻機動隊のパクりなどオタク要素もあり、女の子もかなり 絵になる娘なので、日本史上最長のタイトルとビジュアルで客 は結構入るんではないか。んでもってDVDソフトの暁には秋葉 原でブレイク必至の予感。5/31から新宿武蔵野館レイト公開。 『死霊のはらわた』かー懐かしいねーって言う杉千代と向かっ たシネセゾン渋谷のエレベーター前。変なおっさんに『死霊( しれい)ですか?死霊(しれい)ですか?』と話し掛けられ「連れが来なくなったのでチケットを1枚買わないかと思って」と 言う。あっはっはー買っちゃったんですよ〜って、ちょっと待 て、このビルには映画館の下におっしゃれーなカフェ&バーが 2軒も入っておるではないか。しかも俺らカップルだぞ、カッ プル。何故ゆえに死霊組と断定するんじゃ!失礼だぞ、おっさ ん!つーわけで横で大受けする杉千代と『死霊のはらわた』。" 手作り"ってやっぱり素晴しいなあ。(←感想それだけかよ)

『UNLoved』(2001/万田邦敏監督作品)@新文芸座。黒沢清の 神田川淫乱戦争などでも助監督を努め、自主映画中心に活動、 本作で随分遅い一般映画デビューを果たした万田監督。 カンヌ映画祭で2つの賞まで取って、映画マニアからはこぞって 賞賛の声が届いた本作は、ストーリー自体はなんてことないメロ ドラマなんだけども、ヒロインのキャラクターと考え方が類を見 ない頑固さだったり、彼女を筆頭に登場人物がみんな喋り方が奇 妙だったり、長回しで異様に濃密な会話が続いたり、不思議な個 性が光る異色の恋愛ドラマ。かなりハマってしまったんだけども。 本当に変な映画だ。。。何故か新文芸座満員に近かったし。ます ます奇妙だ。。。

『ゴースト・オブ・マーズ』 (2002/ジョン・カーペンター監督作品)@VHS。 2002年、この映画を見逃したことを非常に後悔した。劇場で観る べきだった。ぐううう。 『要塞警察』から何年だろ。なーーー ーーーーーーんにも変わっとりゃせん!しかもいい年して舞台は 火星だし。泣かせるなあ。メタルミュージックをバックに火星人 (メタル系)ばんばんぶっ殺して脱出して。しかし何も解決してな くて、ラストだってまた火星人来ちゃって筋金入りのワルとグラ マー姉ちゃんが「さあ1発かますか!」みたいにカメラ目線で去 って。またメタル。ずーじゃかずーじゃか♪ずじゃずじゃずーじ ゃか♪カーペンターはいつだってバカボンのパパみたいに明快だ。 これでいいのだ。これからも何かに悩んだ時や迷った時はこれを 観て安心しよう!(←阿呆)。

『帰って来た刑事まつり』 (2003/是枝良和、吉行由実、井口昇、瀬々敬久etc.) 早くも帰って来てしまった刑事まつり(今回は女刑事)@シネマ 下北沢。面白かったのは女刑事を食って諏訪太朗の頭が主役の鈴 木浩介『絶好調刑事』、林由美香主演(何歳になっても可愛い人だ 。。。)、かの柳下毅一郎氏が2度目のキスシーンにチャレンジ( しかも相手は男)の『発情女刑事』、一番笑えて出来も良かったの は井口昇監督の、怒ると顔アトピーが顔全体に広がってしまう 『アトピー刑事』。これは爆笑なので必見。何か劇場空いててい よいよ終わりかと思ったが、エンディングテロップで第3弾『もっと! 刑事まつり』&第4弾の告知が出て椅子から落ちそうになったとさ。 ちゃんちゃん。

『24アワー・パーティー・ピープル』 (2002/マイケル・ウィンターボトム監督作品)@シネセゾン渋谷。 マンチェスターといえば個人的にストーンローゼスという偉大す ぎる存在があるが、今回はジョイ・ディビジョン、ニューオーダ ー、ハッピーマンデーズ、ドゥルッティ・コラムあたりがメイン でファクトリーレコ−ドを中心に描かれた青春映画。これがまた なんつーか、せつないんだなあ。マンチェスタームーブメントと いう体験できなかった"お祭り"を再現してくれていわけで。そんな"祭りのあと"に鳴り響くジョイ・ディビジョン〜ニューオーダ ーは沁みるぞ〜!



Mojo Silly Talk Vol.95


■3/17 ヤケクソ映画鑑賞日記の巻   

「ジェイ&サイレントボブ 帝国への逆襲」    

「ヘブン」「さすらいの恋人 眩<めまい>暈」

土曜日、渋谷シネアミューズにてケビン.スミスの最新作「ジェイ&サイレント・ボブ 帝国への逆襲」鑑賞。こりゃケビンスミスの過去作品全部観てハマった人へのご褒美のような映画で、わかる人だけ付いて来い!って感じでやりたい放題、わからん人は置いてきぼり、わかる人だけ大爆笑とその差はでかい。ジェイソン.リー、ベン.アフレック、マット.デイモンらスミス映画出演組に加え、「スター.ウォーズ」のマーク.ハミル&キャリー.フィッシャーの出演もしかと確認。個人的には「ズーランダ−」で最高だった”ムガトゥ”ことウィル・フェレルがジェイ&サイレント.ボブ+オランウータンを追跡する連邦野生動物監視官役(何だよそれ)で出演していてなかなか笑わせてくれた。しかし最後の最後までカタルシスは得られず。ちなみにスミス映画未見の人にはクラークス、モールラッツ、チェイシングエイミーあたりがオススメなり。

次の日、新宿でポーランドの巨匠キェシロフスキの遺稿を「ラン.ローラ.ラン」のトム.ティクヴァ監督が映画化した「ヘヴン」。冒頭から前半いっぱいにかけてはちょっとしたきっかけで大変な業を背負ってしまうケイト.ブランシェットと、彼女に恋をする通訳とのスリリングな脱出劇で音楽とかもデカローグっぽくて微笑ましいしだな。しかし、逃亡に成功した後は随分まったりしてしまった。ラストはっまあ美しく神秘的ってとこだが、何か前半の濃密な感じに比べるとちょっと物足りないような...。 で、さらにその夜、吉祥寺バウスシアターの小沼勝監督のロマンポルノ特集にて「さすらいの恋人 眩<めまい>暈」(1978)を鑑賞。この日は小沼勝監督×ヒロインの小川恵さんのトーク。この小川さんという女優さんは若くして引退した方で、この日は20数年振りの登場だったりした。映画は正統派のロマンポルノ/メロドラマといった感じでしっかりと濡れ場も多いながら、小川さんの印象が瑞々しく、変なむんむんした色気やじめっとした暗さとは無縁の青春映画の傑作。それもひとえに小川恵さんの資質が大きな要因。ひたむきさ、純粋さが似合い、どこか身近な印象を持つ稀な女優なのである。ゆえに本作は女性が共感できるという、珍しいタイプの作品になったのかもしれない。傷つけ合いながらもささやかな幸せに寄り添う主人公の青年とヒロイン、復讐しつづけるうちに怒りの対象が何だかわからなくなってそれでもやみくもに青年を傷つけてしまう悪役達の描かれ方が共に素晴らしい。ラスト付近。主人公に復讐の限りを尽くして来た女(飛鳥裕子)が「わかんない」って言うシーンが印象的だと思う。ちなみに、中島みゆきの「わかれうた」が使われているせいで、未ビデオ化。今岡信治の「イボイボ」共々、半永久的にスクリーンでしか観られない傑作。

そしてお会いした小川恵さん、映画とまったく変わらない優しい笑顔で現れて吃驚仰天。上映後、ロビーにて小沼監督共々貴重な話も聞けて、特別な一夜となったのであった。



Mojo Silly Talk Vol.94


■3/13

久々に下北のロックバー・ストーリーズへ。マスター&客で来ていたO氏とツェッペリンなどをBGMに、少女地獄をめぐる規制問題についてファックユーだバーローなどと盛り上がる(←阿呆)11:30過ぎには引き上げ。見慣れた界隈を返りつつ、んーな んつって下北の夜についていろいろ回想。思えば遠くへ来たもんだ?けっ、あほらし。
しかしすぐに現実、仕事のことで頭は一杯。『箱の中の女』DVD発売記念イベントがゲスト以外はほぼFIX。ロマンポルノ末期の衝撃作を開催!10数年振り(なのかな)にスクリーンに復活する伝説のホラーポルノ『美女のはらわた』を始めとした選りすぐりの傑作の上映、期間中連日繰り広げられるトークイベント&特殊イベントなど、アップリンクファクトリー自体が恐怖の箱と化す、ハードコア企画。閉じ込められたい人御一報をお待ちする。んで次のイベントネタは何故かトッド・ソロンズ。さらにまたロマンポルノネタもまだ2つ有り。あーしんど。でも何とかしたる。むう。(眉間に皺。)

そういえば、『ロードオブ・ザ・リング 2つの塔』を観賞した。そもそもドラクエとかにも一切はまらず、無論『指輪物語』も読んでないので、まあ俺はダメだろ、と思ってたが、1が案外面白かった。んでもってさらに今回のは主人公が指輪の魔力でべろんべろんで終始目はうつろだったりってのを後目に大戦争勃発、後半などほとんどが戦闘シーンという血沸き肉踊る内容。ド迫力のスケールで繰り広げられる壮絶な映像にはなかなか昂奮させられた。

その他中古品で『ウォリアーズ』『サンダーボルト(&ライトフット)』『カプリコン1』『台風クラブ』などのDVDを購入して意気揚々、のはずが直後にウォリアーズ、サンダーボルトの廉価版をタワレコで発見して呆然。頭に来たので『ロンゲストヤード』買おうかと思ったが何とか踏み止まることに成功。(←阿呆)



Mojo Silly Talk Vol.93


■3/6(木)

仕事で吉祥寺バウスシアターにロマンポルノのDVD発売告知の チラシを織り込みに行きつつ、レイトショーにて小沼勝監督の 『妻たちの性体験 夫の眼の前で、今…』を鑑賞。傑作である 。クライマックスで人妻(風祭ゆき)がさるぐつわをされた夫 の眼の前で若者の集団にレイプされるのだが、これがサンバを バックに異様な興奮に包まれてゆく。裸の若者達に囲まれた風 祭ゆきがそのまま昇天してゆきそうなほど美しく乱れ、何かの 儀式であるかのような、眩暈すら覚える異常な光景である。脚 本の小水一男&小沼勝監督特有の変質的な視線と特異な演出が 最大限に発揮された怪作。そういえばレイプシーンと対照的に 使われるチューリップの音楽がまた奇妙な味わいであった。と もかく必見。 小沼勝特集上映は吉祥寺バウスシアターにて4月頭まで。期間 中小沼勝監督と女優の小川恵さん、風祭ゆきさん、木築沙絵子さんらのゲストトークが決まった模様。(詳しくはニュースコ ーナーを。)



Mojo Silly Talk Vol.92


■2/23(日)
『アホでマヌケなアメリカ白人』などでホワイトハウスからマ ークされたなどなど話題の人となったマイケル・ムーアがアメ リカ銃社会を切り裂いたドキュメンタリー『ボウリング・フォ ー・コロンバイン』は恵比寿ガーデンシネマのみの上映でアホ みたいに混んでいてなかなか観られなかったのだが、いよいよ 拡大上映で方々のシネコンでも上映開始。しかし何故か微妙な 場所でしかやっていない。しかし屈せず、マイケル・ムーアに 負けじとノリと勢いでユナイテッドシネマ入間まで出向き、念 願の鑑賞にこぎつけた。3/1から2館取りになるという恵比寿 ガーデンシネマとは対照的にがらんがらん。(しかも駅から遠 くて上映開始1分前に駆け込み)内容は期待通りで、ものすご いアイディアと機転と行動力のある監督が電波少年ノリで突き 進む快作であった。「ゆきゆきて神軍」程エグ過ぎず、しかし かなり核心をつきまくるので見ていて痛快。ドキュメンタリー なのに、後半部分で現在全米ライフル協会の会長を努める元俳 優チャールトン・ヘストンをやり込め、銃弾を気軽に売ってる"K マート"をぎゃふんと言わせるなど盛り上がり、爽快な気分。 それからコロンバイン高校の銃乱射事件の犯人が聴いていたこ とで元凶扱いされたマリリン・マンソンも個人的に音楽は苦手 だが、今回のアメリカの"恐怖植付け→消費"作戦に関する指摘 など素晴しかった。 そういやコロンバイン高校の銃乱射事件といえば、昨年公開さ れたトッド・ソロンズの最新傑作『ストーリーテリング』も同 じネタを使っており未見の人はこちらも必見也。
余談だが、予告でやってた『呪怨』もシネコンいき。入間の空いた映画館で観る『呪怨』ってのはなかなかオツなはずである 。何せ映画の舞台が同じ西武線沿線なのだから・・・にゃ〜お 。



Mojo Silly Talk Vol.91


■2/17(月)

ロマン・ポランスキーの最新作、『戦場のピアニスト』を鑑賞 。カンヌパルムドールに相応しい文句ない出来。主人公はレジ スタンスにならずなりふり構わずひたすら逃げて逃げて逃げま くって 生き延びるシンプルな映画。ナチスのユダヤ迫害の事実をきっ ちり描き、廃墟などの美術もとんでもなく素晴らしい。せっぱつまった主人公なのにそこはかとない滑稽さを感じるところに ちらりと従来のポランスキーらしさを感じた。それにしてもア カデミー賞ノミネートされたが、もし受賞しちゃったら入国できるのか?

続いて2度目となるピンク館、上野オークラで3本立てを鑑賞。 期待の田尻裕司監督作品『不倫する人妻 眩暈』を観たが。。 。佐々木ユメカ&佐野和宏らキャストは豪華。全体的に物足り なさが残るが、美しいシーンもしばしば。以前から気になってた荒木太郎監督の『隣のお姉さん 小股の斬れ味』も個性的で 面白いには面白いのだがもう1つ突き抜けず。何気に一番期待 してなかった国沢実監督の『小島奈々〜(何とかかんとか)』 が面白かった。主役の子がどうしても好きになれなかったのだ が、ラストのどんでん返しとさらに唸るエピローグが付いて切 なさライセンス1級品。参った。こういうのがある以上、追いかける価値があるなあ、なんて思ったりして。

この他「女優霊」(←怖すぎ)「東海道四谷怪談」(←美し過 ぎ)「ファンタズム」(←センチメンタルホラー?謎の"シルバ ーボール"がすごい)「聖獣学園」(←とにかく異常。傑作。 )などわけのわからないラインナップをビデオにてやみくもに 鑑賞。が、流石は名高い名作達。4つともに面白かった。



Mojo Silly Talk Vol.90


■2/12(火)

休みである。ぎゃはははははは。ざまぁみれぃ(誰に言っとるんだ)。しかし雨。阿呆である。許しがたい。ぐむむむむ。と 握り締めた紙が重要な書類だったりしてアイロン探しの午後。 合掌。 最近観た映画。

『猟奇的な彼女』(日比谷シャンテにて)★★★
この映画、ずいぶん流行ってるみたいだ。トレンディドラマなぞを観なくなって久しい昨今だが、くどいシーンがちとかゆい意外は結構よく出来た恋愛映画・・・いや限りなくトレンディ ドラマみたいな映画である。韓国映画では史上最高に明るいの ではなかろうか。ワイヤーアクションでばかすか暴れるのにずし〜んと重かった『火山高』とは打って変わって軽やかな映画 であった。韓国映画らしいといえば、前半のゲロゲロシーンは 容赦なくて場内の笑いがぎこちなかった。ふはは。

『スケバンマフィア -肉刑-』(ビデオ鑑賞)★★★★☆
海女さん版ワイルドバンチ『人魚伝説』、ワイセツ&バイオレ ンス、男筋直撃の伝説のロマンポルノ『天使のはらわた 赤い 淫画』の池田敏春監督、29歳時のデビュー作。必見である。噂 に聞いていた、女体の上をバイクがぶーん!と飛び越すシーンはもちろん、ラストの椿三十郎的クライマックスがしびれるぜ い。

『愛欲温泉 美肌のぬめり』(ビデオ鑑賞)★★☆
サトウトシキ監督作品。ある過去を抱えた葉月蛍が温泉にやっ てきてそれに気づいた刑事が執拗に身体を迫って・・・夏の雰 囲気、ロケ地、役者陣ともによく、いつものごとく淡々と物語 が転がる感じなのだが、どうも後半がすきっとしない。小林政 広脚本だとこのへん良し悪しがあるんだよねえ。瀬々さんだったらこれだけ登場人物いたらわーっと暴れさせたりするんだろ か。この前に観た『迷い猫』もどーも硬質で重い感じ。葉月蛍 が主役だとそこは妙なバランスになって面白いんだが。となるとやはり今コンビを組んでる今岡信治流軟体脚本モノで葉月蛍 主演ってのが観たいなあ。



Mojo Silly Talk Vol.89


2/1(土) ★★★
また同僚が退社、何度目か忘れた送別会。これがある度 にこれまでの事がフラッシュバックして感傷的になったり、自分の今後についても考えるハメに。決まって辞めるのは信頼してる人間ばかりで、置いてけぼり感も味わいつつ。このままじ ゃダメだーと思いつつもちょっとやりたいことも中途半端に出来てたりもして、踏ん切りがつかぬのだ。んー。時間だけがどんどん過ぎてゆくのである。ぐわー。ぱぱんが、ぱん。
★★★ ってそんな折り、ex:SMASHING PUNPKINSのビリーコーガンのニ ューバンド"ZWAN"のアルバムが出た。これが嬉しくなっちゃうような音で、非常にリラックスした曲がズラリなのである。テ ィーンエイジファンクラブみたいなノリというか。聴いてるこっちまで吹っ切れるね。こりゃ。それよりさらにヤバかったのがJoan of Arcのティム・キンセラのソロプロジェクト(だっけ な)の"Owen"のアルバム。タワレコで何気なく試聴してたがうわわわのわー3曲目あたりでマジで泣きそうになって最後まで 聞いたら試聴機びちょびちょになって店をつまみ出されて今後のDVD営業にも差し支えるぜーチキショーと思い買ってしま った。合掌。んー、満を持してCDウォークマンでも買うべきか。
★★★「おんなの細道 濡れた海峡」(1980・武田一成監督 作品)をビデオ鑑賞。背景となる寒々しい風景に見事に溶け込んだ三上寛、石橋レンジ&女優陣がみーんな魅力的。それと台 詞や様々なディティールにもささやかながら印象的なこだわりがたくさんある。見終わった後に妙に爽やかな気持ちになる名作だ。神代映画をもちっと可愛いらしく、爽やかにしたような 、そんな感じ?って無責任な感想で締めてみたりして。ぱぱんが、ぱん。



Mojo Silly Talk Vol.88


■2003.1.23.(木)
久々に下北で行きつけのロックバーへ。キンザザフリークのM 氏と酔いどれ猥談。ヴェルヴェットアンダーグラウンドの2ND と「不思議惑星キン・ザ・ザ」の共通項について熱く語るM氏 。なーんも意味はないが、間違った方向へ突っ走る。なるほど にー。ににんがにん。続いて男気映画的視点から観るキンザザ 、ドラえもん的視点から観るキンザザ。M氏とは会う度にキン ザザ讃歌である。今度街角であったらクー!とかやったろうか しらん。しかし運動不足なので股関節を痛めるかもしれん。む うう。鍛えねば。とりあえず某所からお年始に貰った「少林寺DVD-BOX 」でも観るか。(って違うだろ) 続いて近頃映画熱心なA氏も現れ、珈琲1杯飲んで帰るつもりだ ったのにビール2本飲んでしまった。オマケに2002年心の洋画 ベスト10・第3位『ズーランダー』のDVDも購入。浮かれポ ンチな心とは裏腹に最後はやっぱりノーモアマニーな夜なので あった。ぱぱんが、ぱん。

■1/25(土)
「猟奇的な彼女」ってのを観ようとしたら長蛇の列。整理券無 しで並ぶのも何だーってなわけでテアトル新宿へ行くと「呪怨 」映画版初日も次の回まで満員ながらこっちは整理券で確実に 座れそうなので、観ることに。ビデオ版を観た人も改めて怖い !観てない人はこりゃもう恐怖の連続であろう。時制関係も実 に巧妙に、全体的な恐怖の描写もスケールアップしている。日 本ではすっかりお馴染みになった「リング」の"貞子"以来、" 伽椰子"と"俊雄くん"が日本中を席巻する日は近いか?ちなみ に本編前の「呪怨2」の告知に対するもの凄いどよめきが凄か った(笑)飲んだ帰りに酔っぱらった勢いで『チャーリーズエン ジェル』DVD(¥2500)なぞ買ってしまった。合掌。そうそう、 チャリエンといえば、続編のタイトルが凄い。『チャーリーズ ・エンジェル "フルスロットル"』って。ぎゃはははははっは はははははははははははははは。ドリューバリモア姐さん、一 生付いて行きます。なんつって、目を離した隙に杉千代が何故 かペキンパーの『戦争のはらわた』(!)を持ってレジへ。ドリ ュー姐さんに負けぬ心意気(+酒の力少し有)を見せつけられ、 男としての立場無しなのであった。合掌。

■1/26(日)
久々に1人きりの休日。快晴。浅草へ出向き散策、生まれて初 めてピンク専門映画館へ出向く。去年から観たかったサトウト シキ監督の最新作「ロストヴァージン やみつき援助交際(原 題:手錠)」を観るためである。(ていうかこれだけピンクだロ マンポルノだって言っておきながら専門館に行った事ないのも 何だと思ってね。映画は、異才・今岡信治が生み出すぐずぐず だらだらした個性的なキャラクター達をサトウトシキが職人芸 のごとく料理。一昨年の「団地妻 隣の喘ぎ(原題:空き部屋) 」に続くコンビの面白さがホンモノであることを再確認できる 傑作であった。ロマンポルノ末期の傑作「母娘監禁・牝」で前 川麻子が演じたやけっぱち少女のような役を、佐々木ユメカの 妹、佐々木日記が好演。生きてる以上はこれ、人生は続くので あって(アタリマエなんだが)、その間周りの環境は少しずつ変 わるも世界は別にこれといって変わらず、、、ってまあつまり 岡崎京子以来の僕らの時代のアレなんだが(←何が何だか)と にかく沁みる映画です。はい。プールプールプール♪って今岡 先生作詞の挿入歌「プール」が耳にこびりついて離れん。しか し初めてのピンク館。怖いことは何も無かったが、爺さんタバ コの煙、あくび、出入りの激しさ(以上全て、おっさん達の期 待程エロくないからだろな)に集中力を奪われるのには困った 。合掌。



Mojo Silly Talk Vol.87


■1月19日(日)
ソフトマジックのジョージ秋山トリロジー第3弾『教祖タカハシ』が発売。動揺が隠せないが、2800円は高い。いましろたかしの新刊『クール井上』『ぼくトンちゃん(だっけな)』黒田硫 黄の傑作『茄子』の第3巻も気になるがなかなか手が出ず。むう。昔であれば金を惜しまずだーはっはっはっはと買ってたものだが、最近は漫画への情熱が失せて来ているのであろうか。 いや待て、単に金が無いだけか。うっせー。
ところで案の定というか何というか、シネマ下北沢の『刑事まつり』大ヒット。クオリティは置いておいて、企画の勝利だ。 何でも第2弾は瀬々敬久、是枝良和、塩田明彦が参戦決定だそ うだ。主催の篠崎誠監督はもう、長編を撮らない気がする。。 。詳細レポートはまた後日。
それから先日観た『ギャング・オブ・ニューヨーク』は★★★(並)。ダニエル・デイ・ルイスに限れば★★★★★。圧倒的な存在感のみがこの映画最大の見所。



Mojo Silly Talk Vol.86


■1月7日
帰省、家族との小旅行などを経てトキオに帰還。実家では様々 な変化があって時の流れを実感しつつ『ダーティーメリー、ク レイジー・ラリー』と『おかえり』を観る。前者はスーザン・ ジョージ(ええ女やのぉ)が、後者は寺島進が良かった。こちらに戻るなりあっという間に現実の忙しさに飲み込まれてしまった。おかげで夜は惚ける様であった。合掌。
久々に負け犬/ボンクラ路線の血を入れ直そうと町田康の新作 『テイスト・オブ・苦虫』を読む。神代辰巳にハマった後だと 尚面白いことこの上無し。この「涙目で自嘲してる」感じって やっぱ好きだなあ(謎)。
それから年末に瀬々敬久監督の『SFホイップクリーム』を鑑賞 したことをすっかり忘れていた。別につまらなかったから忘れていたのではなくて、むしろ大して期待してなかった分案外楽しめたのである。つーかこれ、モジョ周辺を狂気させたロシアの珍妙SF『不思議惑星キン・ザ・ザ』のパクリだ。オマージュ どこじゃない、こりゃもうまんま。「クー」の代わりに異星人は「ワラワラ」と喋る。主演の武田真治はどーも下手な気がするが、脇の松重豊(←地獄の警備員ね)が良い。疑似家族の形成から誰かの死、瀬々監督ってこのネタは本当に描くのが巧い。



Mojo Silly Talk Vol.85


■1月1日
負けましておめでとうございます!天皇杯をTVで観てようやく 正月を実感しているナヲイです。皆様の2002年最後の映画は何 でしょうか?ちなみ僕は杉千代が徐に買って来た80年代ホラ ーの名作「バスケットケース」でした(爆)。う〜んマンダム。

さて、新春早々シネマ下北沢でイカす上映イベントが実施され ます。その名も「新春刑事(でか)祭り」!篠崎誠にそそのかさ れた総勢12人の監督が10分以内、1分に1回1ギャグなどのルー ル内で刑事モノを作ったらしいのです。黒沢清「霊刑事」、佐 々木浩久「だじゃれ刑事」(←中原昌也主演という噂)、篠崎誠 「忘れられぬ刑事たち」、高橋洋「アメリカ刑事」(某有名映 画のスチールに台詞付けただけとかいう噂)などなど安さ爆発 !・・・じゃなくて必見の珍作揃い!のはず。

ではでは、本年度も宜しくお願い致します。
今年はもうちょっ と各部屋のレビューを増やしたり、ピンク&ロマンポルノのレ ビュー部屋などを作ったりできればなあと思ってたりしますが 、どうなるかはわかりません。生暖かい目で見守っていてくだ さひ。



Mojo Silly Talk Vol.84


■■12/18■■■
渋谷アップリンクファクトリーにて手塚眞の8mm シアター。今関よしあき監督の『ORANGING'79』(何と主演が若 き日の三留まゆみ!)、岸田森もドラキュラ役で出ていた伝説 のTV番組"もんもんドラエティ"の最後にやっていた手塚眞扮 するお茶の子博士の"HORROR THEATER"(第2期は"お茶の子シア ター"に改名)から3編、にこにこ踊ったりバイオリン弾いたり してる貴重な鈴木清順の姿が拝める"MOMENT"の3本立て。殊更 年上の方々からあれはやばい、という声を多々聞いていたお茶 の子シアターには感激!3分間ながらTVでやってたことが想 像できないような不気味でこわ〜い映像が満載。最近出たDV Dも買ってしまった。合掌。

■■■12/21■■■
杉千代が観た いというのでレーザーディスク引っぱり出して『ガルシアの首 』。この映画もほんと何度観ても泣ける。ノー!ノオオオオオ オオオオオッ!筋のヤケクソって素晴らしい。午後オスカー氏 から「今日の夜、うちで謝肉祭があるんだが来られるか?」と いう謎のTEL有り。年末恒例の鍋大会に出向く。年忘れ、とい うより肉忘れという程に肉を食らいビールを飲んでガンダムと か観て、何だか懐かしい感じ。どうでもいいけどスカパーで観 たバービーボーイズと岡村靖幸とTMネットワークのビデオクリ ップが懐かしさと恥ずかしさを同時にもたらして居ても立って もいられなくなった。


■■■12/22■■■見事に胃がやられて いる朝。「まだ4回の裏だ」と訳のわからないことをつぶやき ながら肉をゆで始める先輩方を置いて渋谷へ。杉千代と合流し てシネマライズで大ヒット中のフランソワ・オゾン監督作品『8 人の女たち』。前作『焼け石に水』よりさらに深化しており唸 らされる。豪華キャストたちによる舞台を観ているような贅沢 な内容。キャラクターもそれぞれ元ネタがあって、往年の名女 優達へのオマージュになっているらしい。個人的には昔っぽい テクニカラーに拘った画面の色が印象的だった。



Mojo Silly Talk Vol.83


■■■12/14(土)■■■
新宿オスカーで『マイノリティ・レポート』を鑑賞。これはなかなか面白かった。特に原作のディック色が強い前半が非常に楽しめた。後半はスピルバーグ色になるが、かなり面白い方では?少なくとも『A.I.』よりは・・・んが、ん、ん。夜は鍋大会。食べ過ぎで苦しくて夜更けは終始無言。

■■■12/15(日)■■■
池袋HUMAXにて『火山高』を鑑賞。「少林サッカー」学園版、というようなカタルシスは得られず。韓国映画ならではの真面目さと重さが突き抜けた馬鹿映画に充分な素材を活かし切れず。しかしマトリックスmeetsビーバップハイスクールなワイヤー喧嘩CGアクションは大画面での見応え充分。こういうのを作った韓国人の心意気には拍手。頑張れニッポン。どーでも良いがロンゲの番長役は元日本代表の"野人"岡野にそっくりであった。合掌。不完全燃焼のため、お好み焼きともんじゃを焼く。

■■■12/16(月)■■■
渋谷シネアミューズで『ストーリーテリング』。『ウェルカム・ドールハウス』『ハピネス』に続くトッド・ソロンズの新作。周囲の評判は暗い、重い、と良くなかったが、これはかなり気に入ってしまった。ブラックユーモアぎりぎりの群像劇を保った前作よりさらにシュールに、問題提起も交え、救いようのないエピソード2編で構成された本作。僕は他類を見ないトッド・ソロンズの作家性がくっきりと現れた傑作だと推したい。『ハピネス』では不幸な人博覧会然としていて他人事と笑えたが、今回はそれさえもない。次々不幸が降りかかったり、嘲笑されたり、批判されたり、悲惨な事件が起こったり、そんな登場人物達を観ていると痛みさえ伴う気がするのだ。そして登場人物達の行動や発言に対していろいろな思いを巡らせてしまう。ドキュメンタリー以上のリアルさを持つフィクション、うまく言えない独特の面白さを持つ本作。トッド・ソロンズの"毒"は、一体今後どのように変化していくのであろうか。楽しみである。

 



Mojo Silly Talk Vol.82


2002.12.9 
自由が丘武蔵野館からタダ券を貰ったので、もはや恒例となった『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』へ杉千代らを連れて行ってきました。思ったより客は入っていて、最後の人間花火後には拍手喝采。
『少林サッカー』にしろこれにせよ、会場が1つになる瞬間を持つ映画ってのは幸せですね。はい。どうでもいいけど何で突然ティーンエイジ・ファンクラブのベスト出てるの。ねえ、何で。懐かしいなあ。

■映画■
『アカルイミライ』(2003/黒沢清監督作品)★★★★
演出、映像、音楽、キャスト、全てが高水準で文句のない映画。しかし映画自体が、物語のキーになっている"クラゲ"そのもののような、何ともつかみどころのない不思議な映画でもある。まだ公開前なので、多くは語らないでおくが、個人的には最後の最後、もう一歩のところで焦点がぼやけた気がして、惜しい気
持ちで一杯である。平行して製作された『ドッペルゲンガー』も観たいなあ。 

『イヴちゃんの姫』(1984/金子修介監督作品)★★★☆
「うる星やつら」と「台風クラブ」を足したような80's学園ドタバタファンタジー。傑作デビュー作『濡れて打つ!』同様、金子修介のアニメオタク的資質が爆発したライトコメディの秀作だ。

『痴漢電車 百恵のお尻』(1983/田洋二郎監督作品)★★★★☆
天才脚本家・高木功とのコンビによる名作シリーズの中随一の問題作。お馴染みの探偵・黒田(名優・螢雪次郎)が痴漢して見つけた山口百恵(!)のそっくりさんを巡るドタバタコメディ。山口百恵はもちろん、劇中の番組の司会のビートたけし、本物の山口百恵の部屋に現れるガウン姿の藤竜也のそっくりさんなど吹き出しどころ満載。もちろんストーリーの方もTV局に仕掛けられた時限爆弾の在処を巡る謎解きも秀逸で、あっという間の60分。ピンクならではの思い切った演出に拍手。ちなみにビデオは流石に「百恵のお尻」ってのがまずいのか、「只今本番中」というタイトルになってました。 

『痴漢電車 極秘本番』(1984/滝田洋二郎監督作品)★★★★
またまた高木功&滝田洋二郎コンビによる快作。今度は真田幸村の財宝を巡って半分の暗号を持った猿飛佐助とそれを狙う女忍者が揃って現代(しかも電車内)
にタイムスリップ!真田幸村が残した暗号の行方を現代で探すハメになり・・・。藤子F不二雄の「TBぼん」みたいに歴史にぴったりと添う見事なオチまで実にお見事。本シリーズ、今のところ全て外れ無しである。 

『連続暴姦(引き裂かれ淫画)』(1983/滝田洋二郎監督作品)★★★★
これまた高木功&滝田洋二郎コンビによる傑作。今回は大杉漣演じるレイプ犯を主役に据えた本格的なサスペンスである。その奥行きある設定、事実がフェイクを交えて徐々に明かされていくプロット、ラストの仕掛けなど見所満載。大杉漣(数少ない主演作品すね)の迫真の演技も必見。ちなみに登場するピンク劇場に「百恵ちゃんが脱いだ!」というポスターが貼ってあって笑ってしまった。

 



Mojo Silly Talk Vol.81


22003.12.3.
■サッカー■
トヨタカップをTV観戦。レアルマドリードはなんちゅうかかんちゅうか、あれだけのメンツが揃ってて観てて楽しいのはもちろんなんだが、一抹の不安が消えない。解説のさんまが面白いことを言っていて「バラエティ番組でも大物が5人も揃うと誰かまかせになって何か変な"間"ができる時間帯がある」とのこと。なるほど、と思った。
そんでもってこのチーム、ボランチが一番大変。豪華絢爛な攻撃陣は守備はほとんどやらない上、左サイドのロベカルはじゃんじゃか上がるので繋ぎと守りとバランスを保つので大忙しなのだ。ボランチのマケレレとカンビアッソの台頭ってチーム事情のせいだったのね。ちゃんちゃん。
しっかし相手のオリンピアも相当強いはずなんだが、妙に下手っちく見えてしまう程にレアルの選手はトラップもパスもシュートも凄かった。

■映画■
『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』(2002/原恵一監督作品)★★★★★
映画秘宝、キネマ旬報などでの大絶賛を経て今や「え?観てないの?」的な程に有名になった前作『オトナ帝国の逆襲』の次作も傑作だった。単なるタイプスリップものではなく、正攻法の描写と緻密な設定で唸らされるハイクオリティな"時代劇"。そんでもって身分の違う武士とお姫様のオトナの恋愛があり、しかもしんのすけは最後に5歳児には辛すぎる悲劇を体験してしまう。これにはまた泣かされてしまった。このクオリティが保てるうちは、クレヨンしんちゃん劇場版のファンが増える現象はまだまだ続きそうである。

『濡れた欲情 ひらけチューリップ!』(1975/神代辰巳監督作品)★★★★ 
ひーらけひらけーぱっとひらけー♪間寛平のヒット曲をモチーにした作品。朝焼けとジャズと大阪城で始まるオープニングが秀逸。
パチプロ(モテ男)と釘師(25歳・童貞)を中心に繰り広げられるドタバタ人情劇。大阪を舞台にした神代作品は外れなしか?そして大阪と言えばヒロインは芹明香。これまた素晴らしかった。

『アフリカの光』(1975/神代辰巳監督作品)★★★
ショーケン、田中邦衛、藤竜也、桃井かおり、高橋洋子・・・とキャストも豪華で普通に"良作"と呼べる作品だし随所に"味"は出てるのだが、同じ年のロマンポルノ作品に比べると何処か物足りない。ショーケンがマストの上でオカマのカモメになってるところはまさに神代節で最高。

『ウェディング・シンガー』(1998/フランク・コラチ監督作品) ★★☆
映画秘宝のスティーヴ・ブシェミ特集で「げ!見逃してる!」と焦って鑑賞。映画自体はまあ、何てことないラブコメディだったが。お目当てのブシェミは、冒頭で弟の結婚式を猥褻なスピーチでぶちこわす酔っぱらい。そしてラストで何故かバックバンドを従えてギター抱えて祝福の歌を熱唱し、数秒後には消えた。嗚呼、ブシェミ!期待を裏切らない美味しいとこどりだ。関係ないけどドリュー・バリモアってごついけど可愛いなあ。何でだ。(←独り言)